マクラーレンではカルロス・サインツJr.とランド・ノリスの間に円満な友情関係が見られているが、その関係はある時点で試されることになると、2016年のF1世界チャンピオンであるニコ・ロズベルグは予測している。
サインツJr.とノリスはマクラーレンにおいて愉快で才能あるペアとなっており、今シーズンは長らく待たれていた復活を遂げつつあるチームに対し、双方とも大きく貢献している。
コース外でもふたりは良い関係にあり、仲間意識やユーモア、ノリスのひょうきんな性格などもあって結束を固めている。
「テレビでは、チームメイトが互いに笑いあったりしていて、人目がなくなった途端に憎しみ合うなんて場面をよく目にするんじゃないかな」と19歳のノリスは『Reuters』に語った。
「そういうことはすべて嘘だよ。僕たちはただの、良い友人同士だと思っている。仲が良いし、一緒に楽しんでいる」
「彼がいつも僕と同じように思っているかどうかは分からないけれど、僕は間違いなく、チームメイトとの時間の99パーセントを楽しんでいるよ」
サインツJr.は、自分より若い僚友との関係はマクラーレンを包む前向きな雰囲気の一部であり、そのことがチームにとってプラスになっていると語っている。
「コース外で、利己的なタイプのチームメイトになることに意味はないと思う」とサインツJr.は説明した。
「マクラーレンが乗り越えようとしているこの期間に誰かが利己的になり始めたら、それはチームのためにならない」
「現在のチームの雰囲気、前向きな姿勢、勢い、モチベーションといったものすべてがあるんだ」
「ランドと僕は、願わくばチームがトップに返り咲くまで友情を保つことが、自分たち自身のためになるのだと自覚していると思う。どうなるかは、それから見ていくよ」
外部から見ているある人物は、マクラーレンにおいてサインツJr.とノリスの仲間意識が続くとは確信していない。
ニコ・ロズベルグはそのキャリアにおいて、ミハエル・シューマッハーとルイス・ハミルトンの両名とチームメイトとして付き合った経験があるが、利害関係が変われば緊迫した状況が生まれると考えている。そしてマクラーレンがグリッド上でさらに順位を上げると、そうした状況が起きるのだという。
「彼らは10位を争ってレースをしている。もし彼らが世界チャンピオンの座を賭けてレースをしたら、状況は急速に変化するだろう。予告しておくよ」とロズベルグは主張した。彼とハミルトンの長年の友情は、タイトル争いの大きなプレッシャーのもとで崩壊してしまった。
「友人にはなれない。友人でいられるのは、明確にナンバーワンとナンバーツーが決まっているときだけだ」とロズベルグは付け加えた。
「互いを打ち負かそうとしているふたりのドライバーが、友人でいるのは不可能だ。エゴが強くなるし、チーム内での政治的な動きがとても大きくなる」
「世界選手権のために戦っていると、多くのことが絡んでくる。残念ながらそうしたことは友情よりも重要になるんだよ」