『第161回芥川龍之介賞』および『第161回直木三十五賞』の受賞作品が発表された。
『芥川賞』に輝いたのは、今村夏子の『むらさきのスカートの女』。1980年広島生まれ、大阪在住の今村夏子は、2010年に『太宰治賞』を受賞して作家デビューし、デビュー作を収録した『こちらあみ子』で『三島由紀夫賞』を受賞した。
『芥川賞』は2016年の『あひる』、2017年の『星の子』に続く3度目のノミネートで受賞となった。受賞作の『むらさきのスカートの女』は、近所に住む「むらさきのスカートの女」と呼ばれる女性のことが気になって仕方のない主人公が、彼女と「ともだち」になるために同じ職場で働くよう誘導していく、というあらすじだ。
『直木賞』を受賞したのは大島真寿美の『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』。1962年生まれの大島真寿美は、1992年に『春の手品師』で『第74回文學界新人賞』を受賞し、デビューした。2011年の『ピエタ』は『第9回本屋大賞』で3位に選出されているほか、2003年の『チョコリエッタ』は森川葵と菅田将暉の共演で映画化されている。『直木賞』は2014年の『あなたの本当の人生は』に続き、2度目のノミネートで受賞。『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』は人形浄瑠璃作者・近松半二の生涯を描いた長編小説となる。