ABBフォーミュラE選手権の2019/2020年シーズンからフル電動フォーミュラシリーズに参戦するポルシェは、ポルシェワークスドライバーのアンドレ・ロッテラーをフォーミュラEチームふたり目のドライバーに起用すると発表した。日本でも活躍した3度のル・マンウイナーはEVシリーズでの自身3シーズン目を新規チームで迎えることになる。
2019/20年“シーズン6”でフォーミュラEにデビューするポルシェは、2017年末にWEC世界耐久選手権の最高峰クラスから退いた後、このフル電動フォーミュラチャンピオンシップに向けてマシンおよび、パワートレインの開発を進めてきた。今年3月にはポルシェモータースポーツのファクトリーが置かれるバイザッハで新車のシェイクダウンが行われている。
ドイツでのシェイクダウンは昨年12月、ひとり目のドライバーとして起用が発表されたポルシェワークスドライバーのニール・ジャニが担当していたが、それ以降ポルシェからフォーミュラEドライバーについての発表はなく、今日までふたり目のドライバーは未定となっていた。ロッテラーはその空きシートを射止めたのだ。
スーパーGT GT500チャンピオンにしてフォーミュラ・ニッポン王者、そしてアウディで計3回のル・マン24時間制覇を達成しているロッテラーは、2016年にアウディがWECから撤退したタイミングでポルシェに移籍。以来、ポルシェワークスドライバーとして2017年WECなどで活躍してきた。
その一方でフォーミュラEには2017/18年“シーズン4”にテチーターからフル参戦すると、デビューイヤーに2度のポディウムフィニッシュを飾り、翌シーズンはDSテチーターでふたたび2回の表彰台を獲得。同チームのチームタイトル2連覇に貢献している。
「2019/20シーズンのABBフォーミュラE選手権にポルシェから挑戦できることは本当に楽しみだよ」とロッテラー。
「僕は2017年からポルシェファミリーの一員であり、とくにニール(・ジャニ)と一緒に仕事した期間は素晴らしい成功の思い出がたくさんあるんだ」
「僕らは2017年にポルシェLMP1チームで初めて一緒に仕事をして、この2年はLMP1プライベーターのレベリオン・レーシングのマシンをドライブした。ポルシェ・フォーミュラEチームでも、また彼と一緒にペアを組めるのは喜ばしいことだ」
「新しい仕事、そして新しいチームとの将来に向けたコラボレーションを楽しみにしているんだ」
そんなロッテラーの起用を発表したポルシェモータースポーツのフリッツ・エンジンガー副社長は、この決定が誤りでないことを確信している。
「ポルシェ・フォーミュラEチームふたり目のドライバーとしてアンドレ(・ロッテラー)と契約したのは間違いなく正しい選択だ。彼は我々と3年間をともにしているポルシェワークスドライバーで、チームとニール(・ジャニ)のことをよく理解している」とエンジンガー氏は語った。
「そして我々は、アンドレがもたらす過去2シーズンに渡ってフォーミュラEを戦った経験のなかから、開発に不可欠な情報などを引き出すことができる」
「ニールとアンドレのペアは、ポルシェワークスがフォーミュラEにエントリーする上でこれ以上ない完璧な布陣だ。この強力なドライバーラインアップで、我々にとってデビューイヤーとなるフォーミュラEの2019/20年シーズンに臨むことを楽しみにしているよ」