2019年のモンスターエナジーNASCARカップは7月13日、ケンタッキー州スパルタのケンタッキー・スピードウェイで第19戦が行われ、ラスト2周の兄弟対決を制したカート・ブッシュ(シボレー・カマロZL1)が勝利を奪った。
チャンピオン決定戦“プレーオフ”突入まで残り8戦となった2019年のNASCARカップシリーズ。第19戦は現地13日(土)の19時51分、80周、80周、107周の3ステージ合計267周で幕を開けた。
ステージ1は大きな混乱なく推移し、予選4番手だったカート・ブッシュがトップでフィニッシュ。2位にジョーイ・ロガーノ(フォード・マスタング)、3位にカイル・ブッシュ(トヨタ・カムリ)と続いた。
続くステージ2もイエローコーションが出ない展開が続き、一時はピット戦略の違いから大きくポジションを落としたカイル・ブッシュが、着実にポジションを上げてトップチェッカーを受けた。
最終ステージ3は序盤の179周目にジミー・ジョンソン(シボレー・カマロZL1)のスピンからイエローコーション導入となったが、その後は大きな混乱なく進行していく。この間、カート・ブッシュとカイル・ブッシュ、ロガーノの3名がラップリーダーを奪い合いながらレースは終盤戦へ突入する。
すると、チェッカー間際にダレル・ウォレスJr.(シボレー・カマロZL1)がターン3で単独スピンしてイエローコーションとなり、レースは延長戦“オーバータイム”に持ち込まれる。この時点でのトップ4はロガーノ、カイル・ブッシュ、カート・ブッシュ、エリック・ジョーンズ(トヨタ・カムリ)という面々だ。
リスタート直後のターン1~2はカイル・ブッシュがトップでクリア。バックストレートではジョーンズが一時前に出たかと思われたが、カイル・ブッシュが先頭、ポジションを上げたカート・ブッシュが2番手でターン3~4へ。
ターン4の立ち上がりではカート・ブッシュに伸びがあり、ラップリーダーでフィニッシュラインを通過。しかしターン1~2ではふたたびカイル・ブッシュがトップを奪い返す。
この2台はサイド・バイ・サイドの状態でターン2を立ち上がってバックストレートを通過すると、イン側に弟のカイル・ブッシュ、アウト側に兄のカート・ブッシュがつく形でターン3~4へ。
ターン4を立ち上がった時点ではカイル・ブッシュがわずかにリードしていたが、ホームストレートへの加速で姿勢が乱れてやや失速。この隙にカート・ブッシュが飛び出すと、そのまま先にフィニッシュラインを通過して勝利を奪ってみせた。
フィニッシュ直後、無線で雄叫びを上げたカート・ブッシュは「(ターン3~4で)彼(カイル・ブッシュ)がアウト側にスペースを残してくれた。そのことを誇りに思う」とコメントし、弟のクリーンな走りを讃えた。
0.076差の2位はカイル・ブッシュが獲得。3位にはジョーンズが食い込んだ。
また、この週末は下位シリーズにあたるNASCARエクスフィニティシリーズ第17戦が12日(金)に、ガンダー・アウトドアズ・トラック・シリーズ第13戦が11日(木)決勝で行われ、エクスフィニティではコール・カスター(フォード・マスタング)が優勝。アウトドアズ・トラックでは18歳のタイラー・アンクラム(トヨタ・タンドラ)が勝利を奪った。
2019年のモンスターエナジーNASCARカップ第20戦は7月21日、ニューハンプシャー州ロードンのニューハンプシャー・モーター・スピードウェイで行われる。