F1のマネージングディレクターであるロス・ブラウンは、F1第10戦イギリスGP終了後、レースではフェラーリの弱点がタイヤの摩耗であると明確になったので、チームのエンジニアはこの問題を早急に解決すべきだと語った。
フェラーリは、予選ではグリッド最前列を争うペースで走っていたが、決勝レースで見せた走りは、またもやチームの主要な欠陥を浮かび上がらせるものとなった。
「予選のフライングラップについて言えば、シャルル・ルクレールのパフォーマンスが素晴らしかった。彼は最終セクターの走りでポールポジションを逃ししたが、これは『SF90』の特に低温における特性が最終セクターとうまく合っていなかったからだ」と、ブラウンはイギリスGP終了後の会見で語った。
「だが決勝レースでのフェラーリは、メルセデスから大きく離され、レッドブルの後塵をも拝した3番手のチームとなった」
「特にタイヤの摩耗の問題がチームの弱点であるように私は感じた」
「これは金曜日のフリー走行の時点から見られていた。週末を通して部分的な修正は行われたようだが、チームを優勝争いができる位置にまで戻すには十分ではなかった」
「チャンピオンになるという希望を維持したいのであれば、彼らはマラネロで原因を究明し、改善策を直ちに実行すべきだろう」
フェラーリについて語るなかで、ブラウンはドライバーふたりが大きく異なる運命をたどったことにも触れ、特にベッテルのパフォーマンス不足が続いている件に言及した。
「ふたりのドライバーにとって、決勝レースは大きく異なる展開となった。ルクレールは、今シーズン5度目で、かつ4戦連続となる表彰台を獲得できた」
「彼は、レースにおいて自分の能力やクリーンなドライビングスタイルが際立つ走りを見せただけでなく、守りと攻めのどちらの局面でも、大胆な姿勢で一騎打ちを戦ったことに、とても満足していた」
「一方、ベッテルは笑顔につながるような成果を挙げられなかった。カナダGP以降、彼はより激しくもがいているように見える。そしてシルバーストンで、その苦悩がさらに深まった」
「ルクレールと違う点は、ベッテルがマシンを快適に操れていないことだ。それは予選での差にも表れているし、決勝レースではセーフティカー出動で3番手に上がったチャンスを最大限に活かすことができなかった」
「その後、彼は(レッドブル・ホンダのマックス)フェルスタッペンのマシンに後ろから追突するというミスを犯した。彼はすぐにそれが自分の過ちであると認識したので、レース終了後すぐにマックスのところへ出向いて謝罪していた」
ブラウンは、ベッテルにはこれまでとは違うプレッシャーがのしかかっていると考えている。
「セバスチャンにとっては厳しい時だ。これまで経験したことのないプレッシャーを感じているだろう。今シーズンもまた、フェラーリでタイトルを取り戻せる可能性が低くなってきた現状を踏まえて、彼はこれからどういう戦い方をするか、自分自身に問いかけているに違いない」
「セバスチャンは素晴らしいドライバーだ。それは記録からもはっきりしている。だが今は少し落ち着いて、チームのサポートに頼る必要がある。当然それは行われているだろう」
「ドライバーに愛情とポジティブなエネルギーを注ぐという点において、フェラーリほどのチームはないと考えている」