TOYOTA GAZOO Racingは7月17日、トヨタ・ヤング・ドライバーズ・プログラムの一環として、新たに“TGR WECチャンジドライバー”の新設を発表。同プログラムに山下健太を選出し、同選手をWEC世界耐久選手権のLMP2クラスに送り込むことを明らかにした。
現在、WRC世界ラリー選手権を目指すドライバーやコドライバーを対象に設定されているトヨタ・ヤング・ドライバーズ・プログラム。ラリー競技では勝田貴元がこのプログラムに選出されているが、今回新たに設けられたスポーツカー部門はWECのLMP1クラスに参戦している中嶋一貴と小林可夢偉に続く若手ドライバーの育成を目指したものだ。
今回、TOYOTA GAZOO Racingはこの新プログラムにスーパーGT GT500クラス、全日本スーパーフォーミュラ選手権を戦っている山下を選出したことを発表。今季のル・マンでトヨタチームに帯同し、その2週間後にはスーパーGT第4戦タイで2019年シーズン初優勝を飾った23歳は、今年9月にシルバーストンで開幕する世界選手権に挑むことになる。
山下が加入するのは今月15日に、3名中2名のドライバーとマシンカラーリングを発表していたハイクラス・レーシングだ。
デンマーク国籍のLMP2チームは2019/20年にELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズからWECにステップアップを果たす予定で、デビューイヤーとなる今季は山下とアンドレス・フィヨルドバッハ、マーク・パターソンというドライバーラインアップを組むことになる。
第3ドライバーとして起用された山下は、同チームでル・マン24時間や10月に行われるWEC富士を含む全ラウンドに参戦する。WEC初参戦となる若武者はシーズン開幕に先立ち、7月23~24日にスペインのカタロニア・サーキットで行われる“WECプロローグ”からチームに合流する予定だ。なお、山下はWEC参戦と並行してスーパーGT、スーパーフォーミュラにも、引き続き参戦するという。
山下はこの決定を受け、「WEC 2019/2020シーズンのLMP2クラスに参戦することになり、本当にうれしく思っています」とコメント。
「こんな貴重な機会を与えていただいたTOYOTA GAZOO Racingとハイクラス・レーシングの方々に感謝いたします」
「WECは世界中のさまざまなサーキットで開催されますし、LMP2は非常に競争の激しいクラスでもありますので、挑戦のしがいがあります。私にとってはまだ多くのことを学ぶ必要がありますが、7月から始まるテストが待ちきれません」と新たな挑戦に対して意気込みを語った。