トップへ

F1 Topic:大観衆を沸かせたイギリスGP翌日に地元イングランドで話題をさらっていった出来事

2019年07月17日 16:41  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

F1第10戦イギリスGP記者会見後はウインブルドンにくぎ付けとなったセバスチャン・ベッテル
「本日は、ご搭乗ありがとうございます。 昨日は、ウインブルドンで素晴らしい試合が行われました。皆様もお楽しみいただいたことと思います」

 イギリスGPからの帰路、ヒースロー空港から乗った日系の飛行機で離陸前に機長がこんなあいさつをした。無理もない、その飛行機には元テニスプレーヤーで今回WOWOWテニスアンバサダーとしてウインブルドンを訪れていた伊達公子さんが同乗していたからだ。F1関係者としては、F1の話題でも飛び出さないと期待したが、残念ながらなかった。

 これは何も日系の飛行機内だけの話ではなかった。イギリスGP期間中のイギリスは、F1以外の国際的なスポーツイベントが開催されていたこともあって、F1以外のスポーツにも注目が集まった。F1のレースが終了した直後のシルバーストンでも、あちこちのモーターホームでテレビがウインブルドンに切り替えられ、ウインブルドン史上最長試合記録を更新したノヴァク・ジョコヴィッチとロジャー・フェデラーの4時間57分にも及ぶ熱戦を見ていた。



 フェラーリのモーターホームの1階でレース後に行われた記者会見でも、2階のゲスト席から1ポイントごとに歓声が上がっていたため、広報が1階のモニターもウインブルドンに切り替え、会見が終了すると、セバスチャン・ベッテルが食い入るように見ていた。


 イギリスGPの取材を一通り終え、メディアセンターに帰ると、今度は別のスポーツで盛り上がっていた。クリケットのワールドカップだ。日本では馴染みがないクリケットだが、サッカーのワールドカップと夏季オリンピックに次いで世界で3番目に視聴者数の多いスポーツイベントらしい(世界で2番目に人口が多いインドの国民的スポーツというのが大きく影響している)。



 しかも、イングランドはクリケット発祥の地ということで、イギリスGPの週末のイギリスは、F1以上にクリケットの話題で盛り上がっていた。しかも地元イングランドは日曜日の決勝に進出しただけでなく、ワールドカップ12回目にして、初優勝を達成したものだから、翌日の7月15日の新聞は一面も裏一面もの話題ばかり。

 次がウインブルドンに来ていたキャサリン妃の話題で、その次もウインブルドンの試合結果。F1の話題はさらにその次だった。



 イギリスGPを制したルイス・ハミルトンはレース前にこう言っていた。

「僕が理解できないのは、オーガナイザーが他のビッグイベントと同じ日にレースをセッティングしたこと。これじゃ、一般の視聴者は今週の日曜日に、チャンネルを切り替えながら見ることになる。F1イギリスGPはイギリス国民にとって特別なイベント。国全体の注目を集めなくちゃいけないのに……」

 来年のイギリスGPに日程はまだ決まっていない。イギリスGPの主催者がどのような決定を下そうと、来年はホンダにイギリスGPを優勝してもらい、日系の飛行機会社の機長に、こうアナウンスしてもらいたい。

「本日はご搭乗ありがとうございます。 昨日は、シルバーストンで素晴らしいレースが行われました。ホンダが1987年以来となる1-2-3-4を達成しました。ホンダのスタッフの皆さん、おめでとうございます」