メルセデスのチーム代表を務めるトト・ウォルフは、F1第10戦イギリスGPにおいて、トップを走るドライバーと2番手のドライバーとの間で戦略を分けることを事前に決めていたと明かした。
通常の場合メルセデスは、ルイス・ハミルトンとバルテリ・ボッタスに対し、同じピットストップとタイヤ選択の戦略を採っている。しかしイギリスGPを前に、チームはふたりのドライバーについて異なる戦略を採ることを決めた。
これについてウォルフは、次のように説明した。
「今朝の戦略ミーティングにおいて、ドライバーたちは2番手を走るドライバーに対して補正戦略を採ることが可能かどうか提案してきた。なぜなら、ふたりに同じタイヤを履かせたら、おそらくレースはそのままの順位で終わってしまうからだ」
「だからその提案を採用し、我々は2番手のドライバーに中間スティントでハードタイヤを履かせる戦略を採ることに決めた。ワンストップ戦略が吉と出るかどうかはまったく分からなかったし、どちらかといえばツーストップを考えていた。ハードタイヤのデータが不足していたこともある。そして、レースはまさにこのように展開したのだ」
実際に、ボッタスは2度ピットストップを行った。ミディアムタイヤを2セット使用し、ボッタスはその後ソフトタイヤに履き替えた。一方ハミルトンはミディアムタイヤでスタートし、ハードタイヤに交換。この1ストップ戦略によりレースで優勝した。
「もし同じタイヤを彼らに履かせて、同じ戦略を採ったら、基本的にターン1か1周目で結果が決まるだろうというということを、朝に彼らと議論した」
「彼らの提案を採用したことで、興味深いレースになったと感じている。これが我々が試したことだ」
「今となってみると、議論は価値あるものだったと思っているし、無意識のうちに誰かを有利にしようとしたのか、戦略について考える必要がある。それは我々の望んでいないことだ。この先もこうした戦略を採る必要があるかどうかを判断するために、さらなる経験とデータが我々にもたらされたことは間違いない」