日産自動車は7月16日、伝統のプレミアムスポーツセダンをマイナーチェンジした新型『スカイライン』を発表した。同社が誇る先進運転支援技術“プロパイロット 2.0”が搭載されたほか、エンジンパッケージやニューグレードの追加、一部リデザインされたスカイラインの最新モデルは、2019年9月から全国で発売される。
ニッサン・スカイラインは1957年の初代誕生から62年を迎えた今日まで、人々の“憧れのクルマ”として愛されてきたニッサンを代表するグランドツーリングカーだ。スポーツ性能が重視された、派生グレードのスカイラインGT-Rがモータースポーツ界において数々の伝説を生み出してきたことは周知のとおり。
そんなスカイラインは2001年にデビューしたV35型以降、GT-Rと袂を分かつとともに海外市場も視野に入れたプレミアム路線にシフト。今日ではニッサンの海外向け高級ブランド、インフィニティでの販売が重要視され、そのエクステリアデザインも海外プレミアムブランド由来のものになっていた。
しかし、今回発表された新型スカイラインでは、フロントグリル内に輝くバッジがインフィニティからニッサンに回帰するとともに、同社の象徴として多くのニッサン車に採用されている“Vモーショングリル”が組み込まれた。さらに、リヤにはスカイラインのアイコンとも言える伝統の丸型4灯リヤコンビネーションランプが復活するなど、ニッサンブランドの『スカイライン』を強く印象づけるリデザインがなされている。
インテリアはプレミアムスポーツセダンとしての機能性と質感がさらに高められ、ハイブリッド車にはニッサン車では国内初採用となるヘッドアップディスプレイや、アドバンスドドライブアシストディスプレイなど“プロパイロット 2.0”専用装備が備わる。
このプロパイロット 2.0は、高速道路上における単一車線のレーンキープをアシストする同1.0から進化を遂げたもの。新型システムはナビゲーションシステムと周囲360度のセンシング情報が連動し、あらかじめナビで設定した高速道路上ルートの分岐や追い越し時の車線変更をアシストするほか、高速道路の同一車線内でドライバーが直ちにハンドルを確実に操作できる状態に限り、ステアリングから手を離した状態での走行が可能となった。
この他、新型スカイラインでは走行シーンに合わせてサスペンションの減衰力を緻密に制御し、車体の挙動を安定させるインテリジェント・ダイナミックサスペンションを初搭載。また、ステアリングの切り始めのレスポンスを向上させ、ライントレース性を高めるダイレクトアダプティブステアリングが採用された。
さらに、ガソリン車に3.0リットルV6ツインターボエンジン“VR30DDTT”を新たに搭載。ガソリン車にもハイブリッド車と同様に、GTタイプSP、GTタイプP、GTの3グレードを設定すると同時に、スカイライン史上最高の400馬力を超える最高出力を実現した“400R”がラインアップに加えられている。400Rという名はかつてNISMOが限定発売した、R33型スカイラインGT-Rのコンプリートモデルと同名ということもあり、史上最強スペックとあわせて注目を集めるグレードになりそうだ。
クルマと社会がネットワークでつながる新しいNissanConnectサービスの旗振り役をも担う新型スカイラインの価格は、ハイブリッド車が547万4520~632万7720円(税込)、ガソリン車は427万4640~552万3120円(税込)となっている。