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ドゥカティ、SBK第9戦アメリカで分かれた明暗。1年半ぶりの勝利に湧いたデイビス、左肩負傷のバウティスタ

2019年07月16日 06:11  AUTOSPORT web

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第9戦アメリカのレース2で、2019年初優勝を果たし歓喜に湧くデイビスとAruba.it レーシング-ドゥカティ
スーパーバイク世界選手権(SBK)第9戦アメリカのレース2で、Aruba.it レーシング-ドゥカティのチャズ・デイビスが2019年シーズン初優勝を飾った。一方、チームメイトであり、シーズン序盤に破竹の勢いで勝利を積み重ねていたアルバロ・バウティスタは、3レースすべてでノーポイントに終わった。

 土曜日に行われたレース1、優勝を果たしたジョナサン・レイ(カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK)に追随したのはデイビズだった。

「いいレースだったよ。グリッドではリヤにソフトタイヤを選択して、レース序盤にはいい感触を得ていた。終盤には安定性とグリップを欠き、レイに追いつくことはできなかった。けれど、結果には満足ているし、明日のレースに向けてもいい感じがある」と、レース1後、2位を獲得したデイビスは語った。

 日曜日に行われたスーパーポール・レースでは、オープニングラップでアレッサンドロ・デルビアンコ(アルティア・ミエ・レーシングチーム)とワイルドカード参戦のJ.D・ビーチ(アタック・パフォーマンス・エステンソン・ヤマハ)がクラッシュした際、マシンの破片がコース上に飛び散ったために赤旗中断。再開後のレースではレイの先行を許したものの、デイビスは再び2位でフィニッシュ。

 そして続くレース2で、ついにレイを抑えてレースをリードする。デイビスは少しずつレイに対して差を広げ、独走で優勝を飾った。

 デイビスにとって、2019年シーズン初優勝。2018年第3戦アラゴン以来、1年以上ぶりに表彰台の頂点に立った。2019年、MotoGPから移籍してきた新たなチームメイト、バウティスタが優勝を重ねるなか、2019年シーズンのデイビスは、ここまで優勝はもちろんのこと、表彰台に立つこともままならない状況が続いていた。

 第9戦アメリカを迎えるまで、デイビスが表彰台を獲得したのはわずかに3度。ともにドゥカティの新型パニガーレV4 Rを駆るバウティスタに、水を開けられていた。それだけに、よろこびもひとしおだ。

 デイビスは「この勝利は、僕にとって本当に大きな意味がある。これまで長い間、厳しい戦いを強いられてきたから」とよろこびを語る。

「最後に優勝したのは約1年半前。まだ勝つことができるのだろうか、とも思っていた。地道に、懸命に取り組んでいれば、遅かれ早かれ結果がついてくるのだと証明できた。今日みたいにね」

 デイビスは、フリー走行1回目で変更したセッティングがうまくいったのだと言う。しかしそれでも、レース2でレイに勝つことができるとは思っていなかったそうだ。

「正直なところ、勝てるペースがあると確信していたわけじゃなかった。ジョニー(レイ)のレース1でのペースはとても強くて安定していた。一方で、僕は(レース1で)タイヤ選択を間違った。この(レース2で選んだ)タイヤが違う結果をもらたすかどうか、わからなかったんだ」

「この結果でサマーブレイクに入れるのがうれしい」と、デイビスは前半戦最後のレースを最高の形で締めくくった。

■3レースノーポイントのバウティスタ、レース1の転倒は「理由がわからない」
 デイビスとは反対に、厳しい形で前半戦最後のレースを終えたのがバウティスタだ。バウティスタは第8戦イギリスでレイにチャンピオンシップのポイントランキングで逆転を許した。第9戦アメリカでは、最低でも表彰台を獲得しなければならなかったはずだ。しかし、バウティスタは3レースすべてをノーポイントで終えた。

 レース1ではトップのレイ、2番手のデイビスに次いで3番手を走行中の5周目5コーナーで転倒。レースには復帰したが、17位という結果に終わった。

「ここ数戦は運の悪いレースが続いている。今日のクラッシュは理由がよくわからない。あのとき、限界まで攻めていたわけじゃなかった」

 バウティスタはレース1の転倒についてそう振り返っている。

 翌日に行われたスーパーポール・レースでは、トプラク・ラズガットリオグル(ターキッシュ・プセッティレーシング)と接触し、転倒。その直後、8コーナーで発生したクラッシュにより赤旗中断となったが、再開後のレースには出走しなかった。

 バウティスタがラズガットリオグルと接触したのはオープニングラップの2コーナー。イン側にポジションをとっていたバウティスタのフロントタイヤと、アウト側を走っていたラズガットリオグルのリヤタイヤが接触し、バウティスタがフロントを失ってクラッシュする形となった。

 バウティスタはこの転倒により、骨折はなかったものの左肩を痛めた。レース2には出走したものの、この負傷により自らリタイアを選択することになる。

「残念なことに、1周目を終えて、レースをするには痛みがひどいということがわかったんだ。左腕に力が入らず、左手でブレーキ(サムブレーキ)をすることができなかった。それで、ピットに戻ることにしたんだ」

「家に戻ったら、左肩の靭帯について詳しい検査をうけるつもりだ。次のレースまで2カ月間の休みがあるのは幸運なことだった。しっかり回復できるだろう」と、バウティスタはサマーブレイク前の負傷だったことを前向きにとらえている。

 とはいえ、チャンピオンシップでレイとの差は81ポイントにまで広がった。ポルトガルから始まる後半戦は4戦。第10戦ポルトガルは、バウティスタにとって大事な一戦となりそうだ。