2019年F1第10戦イギリスGP決勝で5位~優勝のドライバーたちが日曜日を振り返った。
■アストンマーティン・レッドブル・レーシング
マックス・フェルスタッペン 決勝=5位
表彰台を失う結果になったことは、チーム全員にとって残念だった。マシンの感触はとてもよく、レースペースがとても速かったからなおさらだ。
シャルルとのバトルはハードだがフェアなもので、彼はとてもうまくディフェンスした。レース序盤の時点ではあまりリスクを冒したくなかったし、僕らの方が明らかに速かったから、正しいタイミングを選んで仕掛けようと思った。彼とのバトルは本当に楽しかったよ。
チームは2回目のピットストップでいい判断をし、ハードタイヤを選択した。このピットストップでシャルルに対してアドバンテージを得て、前に出ることができた。
その後のペースは強力で、(3番手の)セブに追いつくことができた。彼をオーバーテイクした後、ターン17で防御したが、セブがブレーキングでミスをして僕に追突した。縁石を飛び越えてグラベルに飛び出してしまったので、これでレースは終わったと思ったよ。
パワステが壊れたような感じだったし、フロアがダメージを負ったので、どうやってチェッカーフラッグまでマシンを持っていったのか、正直言って自分でも分からない。だから5位でフィニッシュしてある程度ポイントを稼げたことを喜んでいる。
ハードなバトルのなかで起きたことで、セブはわざとやったわけではないので、怒ってはいないが、がっかりしている。彼はレース後すぐに謝りに来た。その行為を尊重するよ。
今日はファンに最高のショーを見せることができたと思う。F1は退屈なんかじゃないと証明できたんじゃないかな。
(自身の公式サイトで語り)セバスチャンは謝りに来てくれたし、何のわだかまりもないよ。彼は僕よりブレーキングを遅らせて、そのために僕のマシンのリヤにヒットした。もちろんがっかりしている。表彰台に立てたはずだからね。
でもレースを続けられたのはよかったよ。接触の後、シートが緩んで、パワステもちゃんと機能していなかった。フロアにも大きなダメージがあった。そういう状態だったから5位でフィニッシュできてよかったと思うけど、今日の僕らにふさわしい結果をつかめなかったことは残念だ。
(formula1.comのインタビューで語り)パワステが壊れ、シートが緩んで、ブレーキングのたびに身体が前に傾き、高速コーナーでは左右に揺れた。レース後、マシンを見たら、フロアとリヤが壊れていた。
ピエール・ガスリー 決勝=4位
今回は金曜から日曜まで、とても好調だった。今年の(グランプリの)日曜のなかで最高の一日だったと思う。
僕らの本来の位置であるトップグループでライバルたちと戦った。今日の4位には本当に満足だ。
人に負けたくないという気持ちが強い人間だから、表彰台まであと一歩というところまで行きながら届かなかったことに、がっかりしている。とはいえ今週末大きく前進したこと、正しい方向に進んでいることは間違いない。
セブ(ベッテル)やシャルル(・ルクレール)ととてもいいバトルをした。アクションの多いレースだったよ。
さらに向上し、表彰台への最後の一歩を踏み出すため、細かい部分に取り組む必要があるけれど、目指す状態まで遠くないと感じている。引き続き努力し続けるよ。グランプリウイークエンドで毎回こういう日曜を過ごすことができればいいね。今後が楽しみだ。
■スクーデリア・フェラーリ
シャルル・ルクレール 決勝=3位
いい一日だった。F1キャリアのなかで今のところ一番楽しめたレースだ。コース上でマックスとバトルをしていてすごく楽しかった。テレビで見ていた人たち、サーキットに来てくれた人たちも、いいショーとしてエンジョイしてくれたんじゃないかな。
オーストリアで起きたこと(注:フェルスタッペンとのインシデントで彼にペナルティが出なかったこと)によって、決勝でどこまでアグレッシブになっていいかを理解したので、今回は全く引かなかった。
ピエール(・ガスリー)ともいい戦いができた。彼はストレートですごく速かったから、追い越すために大胆なアクションを取る必要があった。
マシンについて言うと、僕らはレースペースとタイヤマネジメントをもっと改善する必要がある。今日はその点で苦労したからね。
(レース後、トップ3記者会見で語り)オーストリアでこれまでの認識が一変した。どこまで攻めることができて、どこまでが許されるのかを理解したんだ。それに基づいてレースができることを、結局のところは喜んでいる。今回、レースのほとんどの時間で激しく戦うことができて、ものすごく楽しかった。
■メルセデス-AMG・ペトロナス・モータースポーツ
バルテリ・ボッタス 決勝=2位
スタートをうまく決めて、序盤数周、ルイスといいバトルをした。すごく楽しかったよ。ピットストップの後、ルイスとのギャップをコントロールしていたのに、セーフティカーが出動し、彼は事実上フリーストップが可能となり、僕の前に出た。
その後、新たにチャンスが訪れることを期待していたが、僕はもう一度ピットストップをして、他のコンパウンドを履く必要があったので、チャンスはほぼないことは分かっていた。
タイヤの持ちは予想していたよりもはるかに良かったから、1回ストップでも走れただろう。でもレース前のシミュレーションでは2回ストップが最速の戦略だという予想が出ていた。
今日は優勝をつかめた可能性があったのに、それを逃す結果になり、がっかりしている。でも今週末からポジティブな要素を見つけることはできる。予選でとてもいい走りができたし、レースペースもよかった。
前戦オーストリアでは苦しんだけれど、今回、僕らチームは強さを発揮し、ワンツーを飾ることができた。優勝したルイスにおめでとうと言いたい。彼はいい走りをした。地元のファンからの応援もすごかったね。
ホッケンハイムで反撃するため、全力を尽くしていくつもりだよ。
(レース後のトップ3記者会見で戦略について聞かれ)今日はついてなかった。でも、2回ストップに決めてしまったために、最後にもう一度入らなければならなかった。1回ストップの可能性を全く残さなかったのは僕らのミスだ。ここから学ぶ必要がある。
■メルセデス-AMG・ペトロナス・モータースポーツ
ルイス・ハミルトン 決勝=1位
ここで2008年に最初に勝った時のことを今も覚えている。ブルックランズから立ち上がってストレートに差し掛かって大観衆が見えた時の気持ちは忘れられないよ。今日、あの時と同じような気持ちになった。興奮と幸せと喜び。この感覚はまるで同じだ。
たくさんのレースを経験してきたから、すでにそういう気持ちは薄れているのではないかと思う人もいるかもしれないが、そんなことはない。最初の優勝の時からこの気持ちは全く変わらない。
バルテリは強力なレースをしたね。序盤、ふたりでとてもいいバトルをした。ターン7入口でとらえかけたんだが、彼がすぐ隣にいたから、完全にドアを閉めることはできなかった。その後は少し引いて、タイヤ交換の時期を待った。ピットストップで彼の前に出ることができるかもしれないと思ったんだ。
ファーストスティントを数周伸ばしたら、セーフティカーが出た。僕にとっては完璧なタイミングだったよ。それでバルテリの前でコースに復帰できたんだ。
今日の勝利のために力を貸してくれた人たち全員に感謝している。僕らのチームは信じられないぐらい優秀だ。その一員として、毎週末、新たな記録を打ち立て、限界を押し広げていけるのは素晴らしいことだと思う。