トップへ

『あなたの番です』共通する“笑顔”の死がヒントに? 新住人・田中哲司の登場で物語はさらに加速

2019年07月15日 11:21  リアルサウンド

リアルサウンド

日曜ドラマ『あなたの番です-反撃編-』(c)日本テレビ

 藤井(片桐仁)の部屋に踏み込み、部屋に隠れていた2人の男に襲撃された翔太(田中圭)だったが、間一髪のところで二階堂(横浜流星)に助けられる。この2人の男はシンイー(金澤美穂)たちの部屋に住む外国人で、袴田吉彦殺害の容疑で指名手配されていた男たち。14日に放送された日本テレビ系列日曜ドラマ『あなたの番です-反撃編-』は、引き続き菜奈(原田知世)の死の真相を追う翔太の姿を軸にしながら様々な伏線が飛び交い、このドラマの謎を一気に深めるエピソードとなったといえよう(次週が放送休止なので、この2週間でネット上の予想合戦がどれだけ捗るか楽しみなところだ)。


参考:場面写真一覧はこちらから


 あまりにも多くの事柄が描かれただけに、ひとまずこの第13話で何が起きたのかを整理しておきたい。まず翔太が水城(皆川猿時)にすべてを話したことで、ようやく神谷(浅香航大)のところで止まったままだった“交換殺人ゲーム”の存在そのものが警察に周知されることに。そして赤池夫婦が殺された502号室に新たに越してきた奇妙な住人・南(田中哲司)の登場。そんな中で翔太は浮田(田中要次)が“笑いながら死んでいた”ことを知り、同じように笑顔で息絶えていた菜奈と赤池夫妻の死との繋がりを感じることになる。


 また、先週のエピソードで漠然と“シンイーたちが関わっていた”ことが明らかになった“袴田吉彦事件”の実行犯として、前述の翔太を襲撃した2人の男ともう1人の正体が明らかになる。それは、おそらく誰も想像していなかったであろう藤井の同僚の看護師・桜木るり(筧美和子)だった。彼女はさらに、藤井の“タナカマサオ事件”の夜のアリバイを捏造したり、翔太のジムに通い始めるわけだが、彼女がキウンクエ蔵前とどのような接点を持つのかは現時点でまったく不明である。藤井以外の住人と接点があるのか、イクバル(バルビー)が藤井のパソコンにハッキングした際に手を貸していたのか、また新住人の南とつながりがあるのか。いくつもの可能性が考えられる。


 一方で、翔太は施設で暮らす赤池幸子(大方斐紗子)のもとを訪ね、奇妙なことを訊ねられる。「一緒なの? あの子よ?」。菜奈のことかと訊き返す翔太だが、違うと言う幸子は「似合ってると褒めてくれた」と語る。第4話で赤池夫妻が殺される直前、菜奈は赤池美里(峯村リエ)と幸子にジャージをプレゼントしている(そして襲撃された時に美里と幸子はそのジャージを着ていた)。その時に菜奈は「すごく似合うと思います」と社交辞令程度の褒め言葉を発し、しきりに褒めていたのは幸子にずっと付き添っている江藤(小池亮介)だった。この事柄から、ネット上では菜奈にまつわる様々な憶測が飛び交うことになっているが、いずれにしても翔太が開けられないでいるクローゼットに何か大きな秘密が隠されているような気がしてならない。


 他にもずっと昏睡状態だった久住(袴田吉彦)が「佐野!」と、おそらく501号室の佐野(安藤政信)の名前を叫んで目を覚ましたことや、黒島(西野七瀬)をずっと見ている謎の男の登場、北川そら(田中レイ)に近付き夏祭りに誘い出す総一(荒木飛羽)。次回には久しぶりに犠牲者が出ることが告知され、予告には夏祭りの花火の映像が映し出されていた。これはつまり、翔太と菜奈の出会いのきっかけになった江戸川乱歩の『パノラマ島奇談』のような展開が待ち受けている前触れなのだろうか。第2章の大きな分岐点となることは間違いないだろう。 (文=久保田和馬)