2012年末から続く「戦後最長の景気回復」により、日本は現在好景気とされている。昨年末から少し翳りを見せているものの、いまだに失業率はバブル期並みの低水準だ。
好景気というと一般市民の懐も潤っているように思えるが、実際のところは給料が上がらず悩んでいる人も多い。企業口コミサイト「キャリコネ」には、年収が上がらない人々のリアルな声が寄せられている。
「残業が少ない月は目も当てられない」「10年以上働いてもほとんど上がらない」
「給料はとても低い。残業が少ない月は目も当てられない。昇給は年3000円程度で主任などの役職が付いても数千円しか給料が上がらない」(電気・電子回路設計、20代前半、男性、正社員、年収380万円)
「基本的に給料は上がらない。社長の気分次第。手取りで16万からスタートして、どれだけ上司に評価されようが社長に届かないと給料には関係ない」(映像制作、20代前半、男性、正社員、年収280万円)
「どんなに頑張っても、給料が上がったと思ったらランク級か何かがあって結局ほとんど上がらない。10年以上働いてもほとんど上がりません」(その他、30代前半、女性、正社員、年収200万円)
微々たる昇給では、税金を引かれると手取りがほとんど変わらないか、少なくなってしまうこともある。給料は自分の仕事に対する対価であり、モチベーションに深く関わるものだ。明確な評価制度がなく、昇給は社長の気分次第というような状況で、どれだけ頑張っても少ない給料のままであれば、不満が溜まりやる気を削がれてしまうだろう。
「階級別の昇給が非常に低く、いつまでたっても給与が大きく上がらない」
「長年働けば年収が上がるだろうと思ったが、10年近くで30万しか上がらない。ベースアップが500円しかない。10年近く人生を損した」(物流サービス、30代前半、男性、正社員、年収350万円)
「給与を理由にした退職者は非常に多いと思います。毎年の昇給はあるものの、階級別の昇給が非常に低く、いつまでたっても給与が大きく上がらないことが問題だと思います」(施工管理、20代後半、男性、正社員、年収360万円)
「給料が上がらないため先が見えない。もっと給料のいい仕事に早いうちに方向転換したかった(ので退職した)」(店長、20代前半、男性、正社員、年収340万円)
長く在籍すれば自然に昇給していくと思いがちだが、上昇額が少なければ、得られる喜びも減ってしまう。あまりの低さに「この会社でさらに10年働けるか?」と考えてしまうだろう。実際に「先が見えない」ために退職をしたという声や、退職者が多いという口コミも見られた。
企業収益が史上最高の水準に近いといわれている日本だが、その利益が社員に還元されていないケースが多いようだ。社員が出した成果に対しては、正当に対価が与えられるべきだ。社員のモチベーションを上げれば、企業の利益もより上がるはずだ。