トップのアレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING)が先頭で1コーナーに向かい、坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING)、関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)とトップ3台の順位は変わらず。その後方では5番手のニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM'S)が前の野尻智紀(TEAM MUGEN)を捉えてポジションアップを果たすが、キャシディは5周目に1コーナーで止まりきれずにオーバーラン。それでもなんとか4番手のポジションを守った。
その後ろでは福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、ルーカス・アウアー(B-Max Racing with motopark)らがポジションを上げていた。しかし平川はSCスタート時に前を走るマシンよりも先にコントロールラインを通過してしまい、スタート違反を犯したとしてドライブスルーペナルティを科されてしまう。
先頭のパロウは徐々に坪井とのギャップを築き、リスタートから5周を経過した8周目には3.7秒のギャップを築いた。後方では小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG)がリスタート直後から連続でオーバーテイクを決めて、12周目にはポジションを7つ上げて12番手を走行。
13周目にはアーテム・マルケロフ(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS)のマシンからフロントウイングが脱落している様子がカメラで捉えられ、マルケロフはピットインを行いウイングを交換した。またアウアーもピットストップを行い、タイヤを交換した。
15周目にはパロウと坪井のギャップが10秒にまで開いた。この時点で坪井と3番手の関口の差が5秒、関口とキャシディも6秒ほど離れており、上位勢は単独走行が続いていた。中団ではそれほど大きなギャップはなかったが、10番手を走行していた山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が15コーナー(GRスープラコーナー)でスピンを喫し、2つポジションを落としてしまった。
徐々に雨足が強まるなか、コース上ではバトルが続く。中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM'S)と牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING)が入賞圏内の8番手を争い、一度は牧野が前へ。22周目には一貴がOTS(オーバーテイクシステム)を使用して1コーナーでのオーバーテイクを試みるが、ここでは失敗。一貴は翌周の100Rで牧野を捉えてポジションを上げたが、一方の牧野はコースアウトしてしまい、この2台に追いついていた可夢偉、さらには福住にまで先行を許してしまった。
32周目、ホームストレートでOTSを使用して中嶋が大嶋和也(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS)を捉えて7番手に浮上する。34周目には福住も大嶋に近づいたが、ここでは大嶋が8番手を守った。その福住は翌35周目に、背後に迫っていた可夢偉に交わされ10番手にポジションダウン。一方、可夢偉は36周目に最終コーナーでイン側から大嶋をオーバーテイクし、ついに19番手スタートから入賞圏内の8番手までポジションアップを果たした。
残り周回は15周となったところで、パロウは再び坪井に対して11秒のギャップを開いたが、その一方で坪井の背後には関口が迫り始めた。ほとんどのドライバーがピットストップを行わずに走行を続けていたが、34周目にタイヤ交換を行った塚越広大(REAL RACING)に続き、42周目にハリソン・ニューウェイ(B-Max Racing with motopark)がタイヤ交換と給油を行った。この時ニューウェイのマシンの給油口から若干のガソリンがこぼれたか、一瞬大きな炎が上がったが、無事に消火してニューウェイはコースへ戻った。