2019年07月14日 10:51 弁護士ドットコム
「身に覚えのない商品が届いた」。こんな相談が、全国の消費者センターに寄せられています。
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国民生活センターによりますと、とくに、ネット通販で購入した商品の代金を配送業者に支払って、それと引き換えに商品を受け取る「代引き」というサービスが悪用されているようです。
国民生活センターのサイトには、次のような例が掲載されていました。
相談者は、50代男性。ある日、ネット通販会社から、自分あてに代引きで荷物が届きました。不在にしていたので、家族が代わりに約3000円を支払って、荷物を受け取りました。送り主は自分の名前で不審に思いましたが、開封したところ、注文した覚えのないライターだったということです。
国民生活センターは、トラブルの未然防止のために、注意を呼びかけています。
今回のケースのように、代引きで支払ったあと、注文していない商品であることがわかった場合、返金してもらえるのでしょうか。こうしたトラブルにあわないためには、どうすればよいのでしょうか。
消費者問題にくわしい舟木諒弁護士に聞きました。
「注文した覚えのない商品を受け取っても、契約が成立したといえません。
今回のケースでは、家族が、勘違いして支払っていますが、同じように『商品を買う』という承諾とはいえず、契約は成立していないといえます。
そのため、代引きで支払ったお金についても、返還を求めることができます」
舟木弁護士はこのように話します。では、代金は戻ってくるのでしょうか。
「現実的には、一度支払うと、返金については困難です。
代引きとは、運送事業者が、販売者に代わって、代金を受領するサービスです。あとで、被害に気が付いても、運送事業者は代わりに代金を受領しただけで、販売者に返金を求めなければならないためです。
なお、大手プラットフォーマーの場合には、返金されるようですが、そうでない場合、泣き寝入りとなりかねません」
受け取った商品はどうすればよいのでしょうか。
「特定商取引法は、一方的に送り付けてきた商品については、送付があった日から14日を経過した場合などには、販売者が、商品の返還を求めることを制限しています。したがって期間経過後、自由に処分することで足ります」
トラブルにあわないようにするためにはどうすればいいでしょうか。
「商品を受け取った場合には、事業者から脅迫めいた請求がされる被害事例も報告されています。当初の段階で受け取らないという自衛が重要です。
家族名義であっても、本人の確認が取れない場合には、代金を支払わない、受け取らないという、決めごとをしておくことが大事でしょう」
【取材協力弁護士】
舟木 諒(ふなき・りょう)弁護士
2007年弁護士登録、弁護士法人龍馬(在籍弁護士9名)所属。適格消費者団体の理事を務めるなど消費者問題を取り扱う一方、多数の顧問会社の企業法務を取り扱う。
事務所名:弁護士法人龍馬ぐんま事務所
事務所URL:http://www.houjinryouma.jp/