F1第10戦イギリスGP予選のフェルスタッペン4番手、ピエール・ガスリー5番手は、今シーズンのレッドブル・ホンダにとって、第6戦モナコGP予選のフェルスタッペン3番手&ガスリー5番手(予選後3グリッド降格で8番手スタート)に次ぐ好成績である。
順位だけを見れば、今シーズン2番目の成績だが、タイムはモナコGPよりも今回のほうが接近している。モナコGPのポールポジションはメルセデスのルイス・ハミルトンで、タイムは1分10秒166。予選3番手のフェルスタッペンのタイムは1分10秒641だから、その差は0.475秒あった。
それが、今回のイギリスGPではポールポジションを獲得したメルセデスのバルテリ・ボッタスが1分25秒093だったのに対して、予選4番手のフェルスタッペンは1分25秒276。その差はわずか0.183秒だった。
「ポールポジションとのタイム差は本当にわずかだったので、『もし、すべてがパーフェクトにいっていたらポールポジション争いもできたかもしれない』と思うと歯がゆい結果だった」と、フェルスタッペンは予選後の会見で悔しさをにじませていた。
なぜフェルスタッペンは、Q3の最後のアタックを「パーフェクト」に締めくくれなかったのか。それは「残念なことに、ラグの問題があり、低速コーナーでタイムロスをしてしまった」からだった。
この『ラグ』とは、アクセルペダルを踏んでからの出力するまでの時間の遅延のこと。要するに、出力のレスポンスが良くないという症状だ。
■ホンダ製パワーユニットを搭載した他のマシンにも出ていたラグの症状
ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターによれば、「予選では同じ場所で毎周のように、起きていた」という。しかも、それはマックスだけでなく、程度の差はあるものの、ほかのホンダ製パワーユニット(PU/エンジン)を搭載するドライバーにも出ていたという。
だが、日曜日のレースに向けてはそれは心配していない。
「フリー走行、とくにロングランでは全然問題になっていないので、日曜日は問題ないと思っています」(田辺TD)
ただし、「今後の予選で再発しないように、どの領域でどんな踏み方をしたときにそう感じたのかを調査し、原因をしっかりと突き止めて、対策を講じたいと思います」とも語った。
なぜなら、この部分でチューニングがしっかりとしていたら、ポールポジションとのタイム差『0.183秒』を詰め、もしかしたら予選でポールポジションを獲得していたかもしれないからだ。
ラグが出たことは残念だが、これはレッドブル・ホンダがまたひとつ高いステージに上がってきたことを意味する、ポジティブな結果だったととらえていいだろう。