レギュラードライバー全員をオランダ人で揃える“チーム・オランダ”ことレーシングチーム・ネーデルランドは、開幕戦シルバーストンを欠場することになるニック・デ・フリースの代役を発表。昨季、WEC世界耐久選手権にデビューしたヨブ・バン・ウィタートを2019/20年シーズン第1戦で起用する。
オランダのスーパーマーケットチェーン、ユンボ(JUMBO)を経営するフリッツ・バン・イアード率いるレーシングチーム・ネーデルランドは、2018/19年“スーパーシーズン”からWECに参戦しているLMP2チームだ。
昨年、ELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズからステップアップを果たしたチームは、世界選手権でのデビューシーズンを戦い終え、現在は2シーズン目に向けて準備を進めている最中。最近は今季使用するシャシーメーカーのオレカとともに、モーターランド・アラゴンで最初のテストを実施した。
そんなチームは既報のとおり、2019/20年の体制を発表済み。ELMS、WECを戦うTDSレーシングとパートナシップを結ぶとともに、ドライバーはバン・イアードを筆頭に、ギド・バン・デル・ガルデ、ニック・デ・フリースというメンバーが引き続き起用されている。
しかし、現在FIA F2でランキングトップに立っているデ・フリースは、ふたつのシリーズのバッティングによってWEC開幕戦シルバーストン4時間レースへの出場が叶わず。このため、チームは2018年ELMSのLMP3クラスチャンピオンで、2019年シーズンはTDSレーシングがオペレーションを担うGドライブ・レーシングのレギュラードライバーを務めているバン・ウィタートを代役として起用することを決めている。
なお、現在20歳のオランダ人ドライバーは、FIAが定めるドライバーランクがシルバーであることから開幕戦に加えて、バン・イアードが欠場予定の第4戦上海でも元F1レーサー、F2ドライバーとともにオレカのLMP2カーをシェアするという。
「昨年、LMP3でファンタスティックな仕事をしたヨブ(・バン・ウィタート)は、今やLMP2クラスでも素晴らしい活躍をみせ、ELMSですぐに勝利した上に、ル・マン24時間でも見事なデビューを果たした」と語ったバン・イアード。
「ニック(・デ・フリース)はFIA F2に参戦中のため、もちろん(WECシルバーストンの週末には)スパに居なくてはならない。ヨブはその代役を務めることになり、中国ラウンドでは私の代わりを任せる予定だ」
「彼はスピードと経験を持ち合わせ、さらにTDSレーシングのクルーをよく知っている。ヨブはレーシングチーム・ネーデルランドにとって非常に大きな財産といえるドライバーなんだ」