F1のCEOであるチェイス・キャリーは、シルバーストンとの間に新たな5年契約が結ばれた現在も、ロンドンGP開催に向けた話し合いは続いていると語った。
2年以上前にF1のトップに就任して以降、キャリーはリバティ・メディアの願いは世界各地の観光都市にF1を展開することにあると述べてきた。
フォーミュラワン・グループは、アメリカでふたつ目のレース開催地を確保するためにマイアミ市に話を持ちかけたものの、今のところ失敗に終わっている。だが、そうした試み自体は続いているようだ。
F1はロンドンにも主催都市としての可能性があると考え、昨年から市当局との交渉を始めている。キャリーは、水曜日に行なわれたシルバーストンとの新契約発表の席上で、イギリスの首都におけるレース開催も大いにあり得る話だと語った。
「我々は多くの都市からF1開催に関心があるという声を聞いている。ロンドンとの話し合いは進行中だ。この交渉が今後も続くことを期待している」
「ロンドンは、今までとは異なる体験になるだろう。今後彼らの案を見ていく。だが当然、短期的にはここシルバーストンに注力し、新契約に基づいて作業を続ける」
シルバーストン・サーキットのオーナーであるBRDC(ブリティッシュ・レーシング・ドライバーズ・クラブ)は、ジョン・グラント会長の声明を通じて、今後ふたつのレースが共存することは可能だとの認識を示した。
「我々は、F1が観光都市でのレース開催を望んでいることを認識している。率直に言って、それがF1に新たな観客を呼び込めるものであるならば、一般論としては良いことだと思う」とグラントは語った。
「反対はしない。その決意を支持する。もちろん我々としては、わずか85マイル(約137キロ)程度しか離れていない、いわば自分たちの玄関先で我々と競合するイベントが開催されることによる、商業的な脅威は懸念している」
「我々は、F1の友人たちとの間で率直な話し合いを続けてきた。彼らは我々の懸念を理解している」とグラントは付け加えた。
「そして今後ふたつのイベントが現実になるときに備えて、我々が満足できるレベルで利益を守るための、業務の進め方に関する一連の合意に至ったと言って差し支えないだろう」
「商業的合意事項の内容には触れないが、我々としてはふたつのレースの開催日が互いに十分に離れており、また自分たちの商業的利益が適度に弾力的な方法で評価されるかぎりにおいて、共存の余地はあると考えている」