伝統の一戦、シルバーストンで開催されるF1第10戦イギリスGP木曜日のFIA会見は、前日に発表された「イギリスGPが2024年までシルバーストーンで継続される」という発表についての質問からスタートした。会見に出席したのは、ルイス・ハミルトン(メルセデス)、ランド・ノリス(マクラーレン)、ジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)の3人のイギリス人ドライバーと、ダニエル・リカルド(ルノー)、アントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)の合計5人。
まずは地元のハミルトンが、「契約が更新されて本当にうれしい。以前から言っているように、F1がモータースポーツの聖地から出て行ったらおいまいだよ」と、契約延長を大歓迎するコメント。
続いてノリスは「僕にとってはF1ドライバーとして初めてのイギリスGPだから、これが最後のシルバーストンにならなくてよかった。過去に何度もここでレースしているし、僕はシルバーストンを愛しているから、来年以降もまたここに戻ってこれることを楽しみにしている」と、コメント。じつはイギリスGP直前に、ノリスもマクラーレンと契約を来年の2020年まで延長していた。
「来年もマクラーレンでレースができるなんて素晴らしいことだ。できることなら、これからの2年で、僕の右側に座っている人(ハミルトン)と、もっとレースがしたいね」とノリス。前戦オーストリアGPのスタート直後にノリスは、ハミルトンをオーバーテイクしていたのである。「すごくクリーンなバトルで楽しかった」(ノリス)
ノリスの左隣に座っていたもうひとりのイギリス人ドライバーのラッセルは「シルバーストンのないF1は、F1じゃないよ。F1はイギリス人にとって国民的スポーツだし、ここはイギリスGPのホーム。契約延長は当然のこと」と、こちらも2024年までの開催決定を歓迎していた。
■8年前のF1デビューを懐かしむダニエル・リカルド
前戦オーストリアGPでF1ドライバーとしての初ポイントを獲得したジョビナッツィは、「髪を切らずに済んだよ」と語った後、こんなエピソードを披露してくれた。
「じつはフランスGPの前にフレッド(フレデリック・バスール代表)から、『もし、ここでポイントを獲得したら、私がお前の髪を切ってやる』って言われたんだけど、僕は16位に終わった。すると今度は、オーストリアGPでフレッドがこう言ってきたんだ。『もし、ここで入賞できなかったら、お前が私の髪を切れ』ってね。そうしたら、入賞した。それ自体はうれしいんだけど、事は少し面倒になったよ(笑)」
リカルドは、イギリス人ではないが、シルバーストンで行われるイギリスGPには個人的に特別な思いがあった。
「8年前、僕はここでF1にデビューしたんだ。そのとき記者会見に出たことをいまでも鮮明に覚えている。あの時の写真を見ると、ちょっと恥ずかしいけどね。髪型が変で、なんかバカっぽくてね。でも、この8年間は僕にとって素晴らしい8年間だった。もちろん、まだやらなければならないことはあるし、僕が本当に手にしたい結果を得るまでは満足はしないつもりだ。だって、僕はまだ若いんだから」
イギリスGP開幕前の時点で、イギリスGPでジム・クラークとアラン・プロストと並んで通算5勝しているハミルトンは、今週末、優勝すると単独首位となる。
「僕は記録にはあまり関心がないから、あまり気にしていない。それにイギリスGPは契約が延長されたから、僕にはまだチャンスがあるしね。それでも、ヘルメットをかぶったら、頭の中から記録のことは消えてなくなるだろうね。だって、僕たちドライバーには、そんなことを考えている前にやるべきことがたくさんあるからね!!」
果たして、メルセデスが2週間前の雪辱を果たすことができるのか? イギリス人のファンだけでなく、世界中のファンが今週末のイギリスGPに注目している。