メルセデスF1チーム代表のトト・ウォルフは、前回のオーストリアGPでチームのパフォーマンスを台無しにした冷却系の問題が、シルバーストンで起きることはないと予想している。
F1世界選手権第9戦オーストリアGPにおいて、メルセデスはレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンとフェラーリのシャルル・ルクレールに先行され、2019年シーズン初の敗北を喫した。チームは何よりもまず、W10のエンジンに影響を及ぼした冷却系の問題を克服しなければならなかった。
この問題によって、バルテリ・ボッタスとルイス・ハミルトンは“リフト&コースト”戦略を多用してマシンの温度を抑えることを強いられていた。
しかしウォルフは、今週末のイギリスGPがまったく異なる環境で行われることに、期待をかけている。
「オーストリアでは、我々のマシンの最大の脆弱性が露呈された。あの週末はどの時点においても優勝に向けて挑戦することが不可能だったということだ」とウォルフはイギリスGPを前に語った。
「しばらくの間、冷却に取り組んでいたが、高い気温とシュピールベルクの標高の組み合わせによって、競争力を出すために温度管理を徹底的にしなければならなくなった」
「この先、暑い場所でのレースでより良い戦いのチャンスを掴むために、我々はこの問題への取り組みを継続していく」
「幸い、イギリスの夏はよりしのぎやすい気温であることが知られている。だからシルバーストンでは冷却が大きな問題にはならないはずだ。しかしこれまでの経験からイギリスGPでの天気が非常に変わりやすいということも承知しているがね」
ウォルフは、メルセデスがシュピールベルクでの苦戦の再現を避けることができると確信を持ってはいるが、現状に甘んじているわけではない。
「今年の我々は、コーナースピードが多岐にわたるコースで最高のパフォーマンスを発揮してきた。だから理論上は相対的に調子を上げられるはずだ」
「だが我々は信頼性の問題も多く抱えており、そのせいで簡単に大量のポイントを取り逃がす可能性もある。だから今週末の戦いに加わりたければ、緊張感を持ち、最高の力を出して、パフォーマンスを発揮する必要があると認識している」