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登場人物全員、クセが強い! 『ルパンの娘』コメディ×アクションで魅せる異端なドラマに

2019年07月12日 06:01  リアルサウンド

リアルサウンド

『ルパンの娘』(c)フジテレビ

 突然始まるミュージカル、イラストで説明される過去の物語、ダンサブルな変身シーン、とエンターテインメントがぎっしり詰まったドラマ『ルパンの娘』(フジテレビ系)が7月11日に初回放送を迎えた。


 代々続く名門泥棒一家の生まれの華(深田恭子)と、名門警察一家の息子である和馬(瀬戸康史)は運命的な出会いで強く惹かれ合っている。しかし、お互いの家の事情から結婚できずにいた。家のことを考え、結婚を諦めようとする華だが、和馬のことがどうしても忘れられない。そんな時に、和馬が華と婚約指輪を選ぶためにサプライズで訪れた宝石店で強盗事件が起きる。和馬は署で事件の担当になり、捜査を進めるうちに、犯人であるヤクザ集団に連れ去られてしまった。それを知った華は、得意の盗みの技術を武器に和馬を救いに行くのだった。


【写真】深田恭子と瀬戸康史の出会いのシーン


 原作は2015年8月に発表されて以来、ロングセラーの横関大の同名小説であり、主題歌にはサカナクションの「モス」が起用された。さらに演出を務めるのは『翔んで埼玉』を手がけた武内英樹など、注目のクリエイターが名を連ねている。そんな本作は「ロミオとジュリエット」さながらのストーリーだけではなく、突飛な演出やゴージャスな装飾、衣装も見どころの作品だ。煌びやかなセットや、衣装に負けない小沢真珠や渡部篤郎の佇まいはキャリアゆえの華やかさを纏っていた。特にLの一族の衣装は、それぞれの形や色が違い個性を感じられる。深田はもちろん、小沢、渡部、どんぐり、栗原類の衣装デザインからキャラクターを読み込むのも楽しいだろう。


 華は泥棒一家に生まれながら、ピュアで犯罪にはあまり積極的ではない。家族が泥棒行為をすることにも苦言を呈すなど、“普通”を追い求めて生きている。そんなピュアで可愛らしい華の雰囲気を踏襲しながらも、後半はアクションで魅せるなどギャップのある役を演じた深田だが、華麗なアクションを披露し、見事、「華」という役をモノにしていた。


 一方で瀬戸が演じる相手役の和馬は、まっすぐで熱い男だ。いざという時にヤクザに捕まってしまったり、華に助けられる時は気絶させられてしまうなど、少し頼りなさも感じるが、まっすぐだけど可愛らしい男性像は瀬戸のイメージにもぴったり。華のために一生懸命になる姿に思わずキュンとする瞬間があるだろう。


 コメディ要素の多い脚本や、飽きさせない演出で木曜の夜に気軽な気持ちで観ることができる本作。これから華と和馬の恋が進展することで、キュンあり、ハラハラドキドキありの極上のエンターテインメントが繰り広げられる予感だ。


(Nana Numoto)