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NASCAR第18戦:雨で短縮終了のデイトナ、20歳の若手が3戦目で初優勝

2019年07月11日 15:51  AUTOSPORT web

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降雨による赤旗中断も味方して勝利を掴んだジャスティン・ヘイリー(シボレー・カマロZL1)
2019年のモンスターエナジーNASCARカップは7月7日、フロリダ州デイトナビーチのデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで第18戦が行われ、悪天候による順延と赤旗中断からの短縮終了と天気に翻弄される週末となるなか、弱冠20歳のジャスティン・ヘイリー(シボレー・カマロZL1)がカップシリーズ出場3戦目で初優勝を手にした。

 2月の開幕戦以来、シーズン2度目のデイトナ開催となった第18戦は50周、50周、60周の3ステージ合計160周、400マイル(約640km)で争われた。

 当初、決勝は現地6日(土)にナイトレースとして行われる予定だったが、降雨により翌日へ順延。前日5日(金)の予選も雨天中止となっていたため、オーナーポイント順でスターティンググリッドが決められた。

 決勝レースは7日13時4分、ジョーイ・ロガーノ(フォード・マスタング)を先頭にスタート。このステージ1はイエローコーションが出ず、静かな立ち上がりとなる。

 このステージ1はケビン・ハービック(フォード・マスタング)がファイナルラップまでラップリーダーを務めていたが、最終周のバックストレートで後方からロガーノが追い上げると、ターン3飛び込みでオーバーテイク。そのままステージ優勝を奪っていった。

 続くステージ2はリッキー・ステンハウスJr.(フォード・マスタング)やカート・ブッシュ(シボレー・カマロZL1)、ブラッド・ケゼロウスキー(フォード・マスタング)などのスピンやクラッシュにより3度のイエローコーションが出される展開に。

 そんななか、このステージ2は残り3周で迎えたリスタート時点でオースティン・ディロン(シボレー・カマロZL1)がトップ。2番手にクリント・ボウヤー(フォード・マスタング)が続く形となる。

 リスタート直後、アウト側からターン1~2へ向かったボウヤーがディロンを交わしてラップリーダーに浮上するが、その翌周にディロンが反撃。そのまま逃げ切ってトップチェッカーを受けた。

 最終ステージ3は序盤、ディロンやロガーノ、ポール・メナード(フォード・マスタング)たちがスリーワイドでトップ争いを繰り広げる。

 すると113周目、このスリーワイドバトルを後方からうかがっていたデニー・ハムリン(トヨタ・カムリ)が3台を交わしてトップに浮上していく。

 しかし、そこから7周後の120周目、ホームストレートでハムリンをアウト側から交わしていったディロンとボウヤーがターン1飛び込みで接触。これに後続18台が巻き込まれる多重クラッシュ“ビッグ・ワン”が発生してしまった。

 レースにはイエローコーションが導入されて進行。レース再開を見据えて多くのドライバーがピットインしてポジションが大きく入れ替わっていく。

 しかし、その直後に雷雲がトラックに接近しているとの予報が出されたため、レースは赤旗中断。その後、降雨や雷などがトラックを襲ったため、赤旗中断から2時間12分後、レースの終了が決定された。

 レースは最終ステージ3に突入していて規定周回を満たしていたこともあり、中断前のオーダーでリザルトが確定。イエローコーション中、上位陣がピットインしたことでポジションを上げていたヘイリーが、わずかカップシリーズ参戦3レース目で勝利を手にすることになった。

 ヘイリーは「信じられないくらいラッキーだったと思う。カップシリーズでのシートを手にするために多くの人たちに支えられてきたから、本当にうれしいよ」と初優勝の喜びを明かしている。

 2位はウイリアム・バイロン(シボレー・カマロZL1)、3位はジミー・ジョンソン(シボレー・カマロZL1)とシボレー勢が上位を独占。トヨタ勢は全車がレース終盤のビッグ・ワンに巻き込まれたこともあり、マット・ディベネデット(トヨタ・カムリ)の8位が最上位だった。

 この週末は下位シリーズのNASCARエクスフィニティ・シリーズも第16戦が5日(金)に行われ、ロス・チャステイン(シボレー・カマロ)が優勝。3位にクリストファー・ベル(トヨタ・スープラ)が食い込んだ。

 なお、この第16戦には服部茂章が率いるHattori Racing Enterprisesが日本人オーナーチームとして初めてトヨタ・スープラで参戦したものの、トラブルから予選アタックを行えず、決勝には出場できなかった。

 2019年のモンスターエナジーNASCARカップ第19戦は7月13日、ケンタッキー州スパルタのケンタッキー・スピードウェイで行われる。