トップへ

グッドウッドでホンダF1田辺TDと再開を果たした佐藤琢磨「直接おめでとうを言えてうれしかった」

2019年07月09日 14:21  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

ホンダF1の田辺豊治TDがかつて担当していたマクラーレンMP4/4・ホンダの前で語りあう佐藤琢磨
オーストリアGPでレッドブルがホンダに13年ぶりの劇的な優勝をもたらしたその翌週。イギリス南部のチチェスターでは、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードが開催された。

 古今東西のクルマがヒルクライムを披露する一大イベントで、F1はもちろん、ありとあらゆるクルマやバイクがパドックを埋め尽くす。

 佐藤琢磨も2009年以来グッドウッドに出場。今年はかつてアイルトン・セナがドライブしたマクラーレンMP4/4・ホンダのステアリングを握った。1988年にセナが初めてF1ワールドタイトルを獲得したマシンでもあり、年間16戦中15勝を記録した傑作マシンでもある。

 琢磨にはこのマシンには2年ほど前に日本でドライブの機会があったのだが、その時は雨天のため走行はできなかった。

 金曜日に現地入りした琢磨は、土曜日の午前中に姿を現し早速シートフィッティング。白いインディカーのレーシングスーツでコクピットに収まると、最後に確認のためエンジンのウォームアップを行った。

 ターボエンジン独特のエキゾーストノートが響き渡ると、ホンダのブースの周りには次々と人が集まり大きな人垣となった。時折鋭くブリッピングすると最後に笑顔でサムアップ。ご機嫌な様子だ。


 その後アッセンブリーエリアで待機している最中には、F3、F1時代の知人友人と再会しインディ500チャンピオンとしてイギリス凱旋を果たした琢磨に、祝福の声もかけられた。

 その後、琢磨は1988年のシーンを再現するようにおよそ50秒のヒルクライムを舞うように駆け抜けた。日曜日にはこのヒルクライムが2回予定されていたのだが、朝からあいにくの雨模様となり走行は中止となってしまった。


 やや時間を持て余してしまうかたちとなったが、琢磨はホンダのブースで積極的にファンのサインの求めに応じファンとコミュニケーションを図っていた。

 またホンダF1の田辺豊治TDもグッドウッドに来場し琢磨と久々の再会を果たした。かつて田辺TDはアメリカのHPDでインディカーレースを担当し、琢磨がインディ500優勝をサポートをしていたのは良く知られるところ。また琢磨も田辺TDに会うといち早くオーストリアGP優勝の祝福をしていた。

 それに加え目の前にあるマクラーレンMP4/4のマシンは田辺TDがホンダ第二期の時代に担当していたマシンそのものであり、琢磨と話が弾むと当時のいろいろな逸話を披露していた。

 10年ぶりにグッドウッドを訪れイベントを終えた琢磨は「久しぶりイギリスのグッドウッドに来て、憧れのセナのマシンであるマクラーレンMP4/4に乗ることができて、夢のような日でした」

「あいにく日曜日の走行がキャンセルになってしまったのが、本当に残念でしたが、F3時代、F1時代の懐かしい知り合いにも会うことができてうれしかったですね。みんなが今頃になってインディ500の優勝を祝福してくれるので、少し照れくさかったですが(笑)」

「それにオーストリアGPで優勝したばかりの田辺さんにも会えて直接おめでとうを言えたのもうれしかった。今シーズンこの後のレースも頑張って欲しいですね」

 今週末には、F1イギリスGPがあり、そして琢磨はインディカー・シリーズの第11戦となるトロントのレースがあり、両名ともレースフィールドに戻ることになる。