FIA-F3第3戦オーストリアの予選で、角田裕毅(イェンツァー)はまさかの27番手。レース1は13位チェッカーが精いっぱい。そして5秒ペナルティも受けてしまい16位完走に終わった。しかしレースペースは悪くないという。
「スタートはよくて、特に苦労せずに8ポジション上げられました。1人(レオナルド・プルチーニ)スピンさせたことで、5秒ペナルティを受けましたけど、それでも抜きにくいこのコースで、これだけ順位を上げられたのはよかったです。レースペースは、本当に悪くないんですよね」
今シーズン予選で苦労している角田。ドライビングも改善もしているというが、原因はクルマにもあるようだ。
「予選は前戦ポール・リカールと同じように、まったくペースが伸びなかったです。ただ自分自身のドライビングも、フリー走行の方がまだいい走りができていた。それでデータを見て、改善しようと意識しすぎてしまって、いいところまでダメになってしまいました」
「改善すべきところが、中途半端に終わってしまったし。予選一発の際のタイヤの使いかたもありますが、それ以上にクルマのベースの部分が遅すぎる。それを何とかしないと……。ただ何が違うのか比較したくても、チームメイトのタイムでは参考にならないし、エンジニアもF3に来たばかりで状況が把握できていないみたいで……」
「予選があれだけ遅かったら、レースでも遅いのが普通なんですが、なぜかレースペースは(相対的に)いいんです。他のチームは予選用セッティングとレース用セッティングを大きく分けているはずなんですが、僕らはその差がすごく小さいみたいです。もちろんいろんな可能性を試してるんですけど、変わらないですね」
そして翌日のレース2も、1周目から順調に順位を上げていったが、リチャード・フェルショール(MPモータースポーツ)に仕掛けたときに接触、コースオフを喫してしまう。その後に再び追い上げるが、11位完走でポイント獲得には届かなかった。
「レース2もペースはよかったです。今回もスタート直後から1、2コーナーでアウト側から次々に抜いていけました。ただ上にいるのがトップ集団なので、さすがにレース1ほどは簡単には抜けなかったですけど」
「ポール・リカールで走ったときに、後ろにつきすぎるとダウンフォースが抜けてしまうことがよく実感できた。その経験を活かして、最初はあまり後ろに接近せず、特にセクター2、3は抜けないので少し離れて、最終コーナーで追い付けるようにしました。それはよかったです」
「繰り返しますけど、課題は予選ですね。タイヤをワーキングレンジに入れられていないのか、何もわからない」
「ただこんなこと言うのもなんですけど、プレマで走れば1位になる自信はある。でも今は、このチームをいかに強くしていくかに全力を注ぐしかない。それがこれからのキャリアに向けて必要なことです」