2019年シーズンのMotoGP前半を締めくくる1戦となった第9戦ドイツGP。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶は、足の痛みを抱えるなかで決勝レースに臨み、10番グリッドからスタートして14位でフィニッシュし、ポイントを獲得した。
中上は前戦第8戦オランダGPでロッシのスリップダウンに巻き込まれる形で転倒し、その影響で左足首を痛めた。オランダGPから連戦で行われるドイツGPでは、痛み止めの注射を打ってフリー走行、予選を戦った。
そんな状況のなか、中上は3回のフリー走行で総合13番手となり、予選はQ1からのスタートに。迎えたQ1では逆転で2番手を獲得してQ2に進出し、10番グリッドを獲得した。中継では、マシンを降りた中上が杖を使って歩く姿が映し出されており、予選の厳しさを物語っていた。
決勝日も、痛み止めの注射を打ってウォームアップ走行と決勝レースに臨んだ中上。決勝レースでは転倒のリスクを最大限避けるためにリヤにソフトタイヤを履いてスタートし、14位でチェッカーを受けてポイントを獲得した。
中上は決勝レースでの戦いを次のように振り返る。
「金曜日はそれほではありませんでしたが、昨日、今日と痛みとの戦いになりました。今日もウォームアップ前と決勝前に痛み止めを打ちましたが、本来の自分の走りができず、厳しく苦しいレースになりました」
「予選は一周だけがんばって10番グリッドを獲得しましたが、決勝はそうはいきません。なるべく体力を温存してレースを走りきろうと決めていました。身体の動き、メリハリをおさえて走ることに決めて、リアにソフトを選びました」
決勝序盤、中上は10番グリッドスタートから16番手までポジションを落としたが、徐々に挽回して13番手に上がるとステファン・ブラドル(レプソル・ホンダ・チーム)を追撃した。しかし、リヤにソフトタイヤを選択したことで終盤にタイヤの左側が消耗してしまいペースダウンしたといいう。
「終盤の8周は、左側のリアタイヤの消耗が激しく、それまでより1秒から2秒、ペースを落とさなくてはいけませんでした。そういう状態で14位で完走してポイントを獲得できたのはよかったです」
「なんとか最後まで持たせられるだろうと思っていましたが、タイヤを使いきってしまったのは残念でした。それがなければ、ブラドル選手とは戦えたのではないかと思います」
MotoGPはドイツGPを終え、夏休みを迎える。次のラウンドは8月2日から開催の第10戦チェコGPだ。最後に中上は「これから夏休みに入るので、日本に帰って、MRIなどでしっかり検査と治療をして後半戦に挑みたいです」とコメントした。