ノリスリンクで開催されたDTMドイツ・ツーリングカー選手権第4戦。7日にレース2が行われ、ブルーノ・シュペングラー(BMW M4 DTM/BMWチームRMG)が今季初勝利を飾った。
前日勝利を収めたレネ・ラスト(アウディRS5 DTM/アウディ・スポーツ・チーム・ロズベルグ)が、その勢いをレース2予選でもみせ、ポールポジションを獲得。
0.007秒差でジェイミー・グリーン(アウディRS5 DTM/アウディ・スポーツ・チーム・ロズベルグ)、さらに同タイムでニコ・ミュラー(アウディRS5 DTM/アウディ・スポーツ・チーム・アプト・スポーツライン)が3番手と続く。
しかし、グリーンは、予選でレッドフラッグ時のスピード違反で5グリッド降格となり7番手からスタートとなった。
視察に訪れたモナコ公国のアルベール2世王子も見守るなかスタートが切られる。ラストは少し伸び悩み、インにミュラー、アウトから3番手スタートのロイック・デュバル(アウディRS5 DTM/アウディ・スポーツ・チーム・フェニックス)が並びかけ、ターン1のヘアピンへと入っていく。
しかし、このヘアピンでその3台のインをシュペングラーが差し、トップに浮上する。
ラストはターン2でミュラーと接触。押し出されたラストは、前日と同じく1周目で最後尾に落ちてしまう。
1周目終わりでデュバルをはじめ5台がピットインへ。トップはシュペングラー、2番手のミュラーにはラストとの接触でドライブスルーペナルティが科せられる。これで2番手にフィリップ・エンゲ(BMW M4 DTM/BMWチームRMR)、3番手にグリーンが続く。
9周目にグリーンがヘアピンでエンゲをオーバーテイク。しかし、11周目にエンゲがインを差し2番手を奪い返す。
グリーンは、16周目にロビン・フラインス(アウディRS5 DTM/アウディ・スポーツ。チーム・アプト・スポーツライン)に交わされ、4番手に落ちるとタイヤ交換へと向かう。
トップを快走するシュペングラーは、32周目でピットイン。エンゲも同じ周にタイヤ交換へと向かう。シュペングラーはタイヤ交換組のトップでコースへと復帰する。
上位陣が次々とタイヤ交換を済ませていき、41周目終わりでダニエル・ジュンカデラ(アストンマーティン・ヴァンテージDTM/Rモータースポーツ2)が最後にタイヤ交換へと向かい、再びシュペングラーがトップに立つ。
2番手はグリーン、3番手にデュバル、4番手にエンゲ、5番いてフラインスというオーダーとなり、レースは残り20分の勝負に。
シュペングラーは後続を寄せ付けずレースをコントロール。その後ろで3位争いが白熱する。
44周目にエンゲがデュバルをヘアピンで交わし3番手に浮上。そのエンゲを50周目にフラインスが捉え3番手を奪う。さらに今度は、そのフラインスの背後に、マイク・ロッケンフェラー(アウディRS5 DTM/アウディ・スポーツ・チーム・フェニックス)が迫っていく。
60周目の最終ターン、ロッケンフェラーがフラインスのインを差し3番手へ。しかし、その前の2台を捉えることは難しく、シュペングラーがトップチェッカー。2位にグリーン、3位にロッケンフェラーという順でゴールとなった。
ノリスリンクで最多となる5勝目を挙げたシュペングラー。2017年のノリスリンク戦以来、2年ぶりの美酒を味わった。
「この勝利は本当に素晴らしいよ。ゾルダーで勝利に届きそうだったけど、セーフティカーが僕たちの邪魔になった。今日はその必要がなく、勝利することができた。とても楽しかったね。クルマは昨日に比べて大幅に改善された。この勢いを持っていきたいね」とシュペングラー。
アルベール公は「面白いレースでした。DTMはよく構成された、いいシリーズです。レースは非常に競争力があります。ニュルンベルクにきて本当に気に入りました。ノリスリンクの雰囲気も素晴らしいですね」と楽しんだようだ。
DTMの代表を務めるゲルハルト・ベルガーもアルベール公の訪問を喜び、「モナコでのレース実現に向けて多くの話をすることができた。言わなければならないね。夢はDTMでふたつの市街地レースを行うことだ。ひとつはニュルンベルク、そしてもうひとつはモナコとね」とコメントしている。