フェラーリ社の副会長であるピエロ・フェラーリは、フェラーリF1チームが関係した2度のインシデントにおけるFIAスチュワードの裁定について不満を抱いている。フェラーリが不公平な扱いを受けているような印象をファンが持つ可能性があると彼は語った。
カナダGPでは、レース終盤にセバスチャン・ベッテルが危険な方法でコースに復帰し、ライバルのルイス・ハミルトンをコース外に向けて押しやったとして、5秒のタイムペナルティを科された。これにより、ベッテルはトップでチェッカーを受けたにもかかわらず、2位に降格され、2019年初優勝を逃す結果となった。
そして先週末のオーストリアGPでは、レース終盤に起きたシャルル・ルクレールとマックス・フェルスタッペンの衝突について審議が行われたが、ルクレールをコース外に押しやる形になったフェルスタッペンに対してペナルティが科されることはなく、彼はコース上での結果のまま、優勝を確保した。
ピエロ・フェラーリは、これらの裁定について納得していない。
「我々のファンが、フェラーリが不当に不利に扱われていると疑い始めることを懸念している。私としてはそうではないと信じたいがね」とエンツォ・フェラーリの息子である74歳のピエロ・フェラーリは、イタリアのメディア『Il Resto del Carlino』に対して語った。
「我々は信用を失うわけにはいかない」とピエロ・フェラーリは付け加えた。
「フェラーリとしての立場ははっきりしている。我々にとってモントリオールで優勝したのはセバスチャンだ。彼のケースでは規則が文面どおり適用されたが、(オーストリアでの)シャルルのケースには適用されなかった」
フェラーリF1チーム代表のマッティア・ビノットも、オーストリアでのスチュワードの判定は間違っていると考えている。だがモントリオールの時とは違い、チームは控訴しないことを決断した。