マルケスがザクセンリンクで通算10勝目。負傷を抱えてMotoGPドイツGPに参戦の中上は14位フィニッシュ

MotoGP第9戦ドイツGP MotoGPクラスの決勝がザクセンリンクで行われ、マルク・マルケス（レプソル・ホンダ・チーム）がポール・トゥ・ウイン。ザクセンリンクで通算10度目の勝利を挙げた。怪我を抱えての参戦となった中上貴晶（LCRホンダ・イデミツ）は完走を果たし、14位でフィニッシュしている。

　気温20度、路面温度32度のドライコンディションでレースは始まった。決勝日はやや強く冷たい風が吹き、そのため体感温度としては、週末で最も肌寒さを感じる気温となった。朝方には近郊で小雨が降っていたものの、MotoGPクラスのレースが始まるころには、コースは乾いた状態に。

　スタートではポールポジションスタートのマルケスがホールショットを奪い、トップでオープニングラップを終える一方、2番手スタートのファビオ・クアルタラロ（ペトロナス・ヤマハSRT）は大きく後退。クアルタラロはさらに2周目、3コーナーでスリップダウンを喫し、リタイアとなった。

　マルケスに続くのはマーベリック・ビニャーレス（モンスターエナジー・ヤマハMotoGP）、アレックス・リンス（チーム・スズキ・エクスター）。3番手のリンスは3周目にファステストをマーク。4周目にマルケスからやや離されかけていたビニャーレスを交わすと、トップのマルケスを追う。

　一方、トップを走るマルケスは5周目にファステストを更新。安定した速さでリンスとの差を築いていき、6周目を終えるころにはその差は1秒にまで広がった。

　序盤はトップのマルケス、2番手のリンス、3番手のビニャーレスはそれぞれ1秒ほどの差でほぼ等間隔を開け、さらにビニャーレスの背後につけたカル・クラッチロー（LCRホンダ・カストロール）とともに、周回を重ねていく。

　レース折り返しの15周を終えて、トップはマルケス、2番手がリンス、3番手がビニャーレス。4番手はクラッチロー、5番手にジャック・ミラー（プラマック・レーシング）が続く状況。

　そんななか、単独2番手を走行中だったリンスが11コーナで転倒。リンスはここで戦線を離れ、ニャーレスが2番手、クラッチローが3番手に浮上する。ビニャーレスとクラッチローは0.3秒以内の差のまま、そのポジションをキープし続ける。マルケスは2番手のビニャーレスに対し3秒以上の差を築き、すでに独走態勢に入っている状態だ。

　3番手のクラッチローの約10秒後方では、アンドレア・ドヴィツィオーゾ（ドゥカティ・チーム）、ダニロ・ペトルッチ（ドゥカティ・チーム）、そしてミラーのドゥカティ勢3台が、4番手を争う。さらに終盤、この集団にジョアン・ミル（チーム・スズキ・エクスター）が加わる。

　先頭のマルケスは、その後も危なげないペースでトップを守り、ポール・トゥ・ウインで2019年シーズン5勝目を果たした。また、この勝利により、マルケスはザクセンリンクで通算10勝目を挙げている。マルケスにとってザクセンリンクでの10度目のポールポジションから、、10回目の優勝を果たし、レース内容も他をよせつけない強さを見せる、パーフェクトな週末となった。

　2位にはビニャーレスが入り、前戦オランダGPに続く、2戦連続の表彰台獲得。3位に入ったクラッチローは、開幕戦カタールGPで入賞した3位以来のポディウム登壇となった。

　ドゥカティの同士対決を制し、4位でフィニッシュしたのはペトルッチ。ドヴィツィオーゾが5位、ミラーが6位でミルは7位だった。

　また、オランダGPでの転倒により、左足に負傷を抱えてドイツGPに参戦することになった中上は、14位完走。身体的に厳しいなかで、見事にポイント圏内でのフィニッシュを果たしている。

　ドイツGPで、2019年シーズンは前半戦を終えた。サマーブレイクを挟み、次戦は8月2～4日、ブルノ・サーキットで第10戦チェコGPが開催される。