子育てをしながら働くためには、「自分一人で何とかしよう」という意識を変える勇気も大切です。親が働きながらも家事・育児を分担する姿、頼れるものは頼って誰も疲弊していない姿は、子どもの「将来家族をもちながら働くイメージ」にプラスになります。
何より、ストレスから子どもに当たってしまうのはよくないです。私自身も上の子の時にワンオペ育児でしたが、慣れない育児から小さなことで怒鳴ったりイライラしたりすることが多く、罪悪感や自己嫌悪に悩んだものです。2人目は父親が日々関わっていたので、子どもを満たしてあげやすかったり、子どもに刺激になったと感じます。(文:時短ママ戦略活用アドバイザー谷平優美)
家庭参加していない夫とは腹を割って話し合い
頼れるものは全て頼ってチームで育児を、と言われても、
「旦那は遅くて帰ってこない」「人付き合いが苦手でママ友の輪に入れない」
「外注サービスを頼むなら家を掃除したいし、自分でやったほうが早い」
などの理由で、人を頼りたくないと感じている人もいるでしょう。でも、もう1回、手放せるこだわりがないか、少しでも自分をいたわれる方法はないか考えてみてください。
まず夫が残業や働き方の関係で家庭参加していない場合。やれないのか、やりたくないのかも含め、お互いの考えを伝え合ってみてください。誤解や思い込みに気づく場合も多いようです。例えば、
・自分はどう働きたいのか、相手にはどうあって欲しいのか
・相手の仕事のために自分の仕事や時間を犠牲にしていないか?お互い、本心からそれを望んでいるのか?
・長い人生や家庭の経済面から、夫婦としてどうすべきなのか、その中でどんな子育てをしたいのか
・夫婦ともにそれを踏まえて、復帰した後の家事育児はどう分担できるのか
など、お互いの価値観が分かるテーマで話すと良いですね。
本当に物理的に無理なご家庭も、歩み寄れるところからお互いのために話し合ってみましょう。タイミングが悪かったり、相手のタイプにあわない言い方をしてしまうと喧嘩になりますから、家族全体の中長期のハッピーを共通目標にして、夫婦が対立しないよう注意しましょう。家事はなるべく具体的に教え合って、助けてもらったら互いに感謝し合うのを習慣にすると、またやろうと前向きになってもらえます。
ママ友や地域のネットワーク作りは自分の幅を広げるチャンス
次に地域のネットワークやママ友。苦手だからと思考停止せず、今までつながることのなかった人と子育てという共通項で付き合い、自分の幅を広げるチャンスと思ってみましょう。
無理にママ友を作ろうとして疲れるのは本末転倒ですが、自分から話しかけてみたり、自分の話をしながら相手の懐に入ったり、少しずつ顔を会わせるうち、気の合う人が見つかるかもしれません。交流してみたらいつのまにか頼れる友達になっていることもあります。
第2子出産のときに上の子のお迎えを手伝ってくれた、少し残業になったときにママ友が遊ばせておいてくれた、一緒にごはんを食べたり遊びにでかける友達が増えて子どもが本当に楽しそうなど、自分だけでなく、子どもの楽しい世界が広がったという声も多いものです。ママ同士じゃなく近所のおじいちゃんおばあちゃんでも、地域コミュニティでももちろんいいです。頼れる人を作ろうと、意識してみてはどうでしょうか。
最後に、人以外の頼れること・もの。たまに乾燥機を使うのもの良し、掃除機がけは週1にして他はお掃除ロボットにするも良し、見直せるこだわりがないか考えてみましょう。地域のファミリーサポートや行政サービスもうまく使えるかもしれません。
延長保育や一時託児も、使ってみたら抵抗がなくなり、任せられる安心感から働く時間を延ばせるかもしれません。月1・2回でも家事代行を使って子どもとの時間を作れるなら、投資として安いかもしれません。
両立とは、「気合で仕事も家事育児も100%」という意味ではありません。心が安定した状態で子育てする環境の確保は、仕事でも、周りを味方にしていい成果を出す力として活きます。頼れない、頼りたくない、一人でやらなくてはといった思い込みは、焦らず1歩ずつ、自分と家族のためにバランスよく手放してみてください。
【筆者プロフィール】
谷平 優美
時短ママ戦略活用アドバイザー/株式会社ルバート代表取締役。早稲田大学商学部卒業後、総合人材サービス会社で新規事業立上げ・執行役員を経て、 株式会社リクルートエージェント(現リクルートキャリア)入社。WEB企画・マーケティング、法人営業を経て退職。出産前後には専業主婦やフリーランスも経験。サロン講師、就職講座講師やキャリアカウンセリングをしながら、無理ない子育て中の働き方を模索するも待機児童となり認証保育園を利用しながら活動。転職支援・キャリア教育に関わった経験と、出産後に感じた様々な社会への違和感に何か発信をしたいと2012年にママハピを創業。2018年、社名変更後は時短ママのジョブシェア体制で事業運営。J-WAVEやフジテレビライブニュースα、東洋経済、NewsPicksなどメディア実績多数。2児の母