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大泉洋、日曜劇場に初登場 『ノーサイド・ゲーム』注目すべき3つのポイント

2019年07月07日 06:11  リアルサウンド

リアルサウンド

『ノーサイド・ゲーム』(c)TBS

 ビジネスにノーサイドの精神はあるか? 7月7日21時からスタートする日曜劇場『ノーサイド・ゲーム』(TBS系)。大泉洋が社会人ラグビーチームの再建と社内の下剋上に挑む同作の見どころを紹介する。


■池井戸潤書き下ろし最新作をドラマ化
 『ノーサイド・ゲーム』の原作は池井戸潤作の同名小説。『半沢直樹』、『下町ロケット』をはじめこれまでに数々の名作を生み出してきた池井戸作品とTBS日曜劇場のタッグだが、6月に発表されたばかりの書き下ろし最新作が早くも映像化される。


 ドラマの舞台は社会人ラグビー。9月に開幕する「ラグビーワールドカップ2019日本大会」を前に、ラグビーチーム「トキワ自動車アストロズ」の再建を軸に物語は展開する。プラチナリーグの下位に低迷するアストロズ。君嶋隼人(大泉洋)は左遷同様の人事によってアストロズのゼネラルマネージャーに就任する。廃部をちらつかせる常務の滝川桂一郎(上川隆也)は君嶋にとって因縁の相手。アストロズ創設者でトキワ自動車社長・島本博(西郷輝彦)をはじめチーム関係者のラグビーにかける思いが随所で火花を散らせる。


 社会人ラグビーチームの復活を縦軸に、ラグビーリーグの現状や日本での課題も視野に入れた骨太な企業スポーツドラマ。それが『ノーサイド・ゲーム』なのだ。


■日曜劇場に大泉洋が初登場
 意外にも日曜劇場は初登場という大泉洋。自身が所属する5人組演劇ユニット「TEAM NACS」で唯一、日曜劇場に未出演の大泉洋が満を持して『ノーサイド・ゲーム』で主演を張る。


 持ち前の演技力で大河ドラマからコメディまで幅広く活躍する大泉が今回演じるのは、アストロズ再建を託された主人公・君嶋。とある出来事がきっかけで本社の経営戦略室から府中工場に飛ばされた君嶋の役職は、アストロズの兼任ゼネラルマネージャー。万年赤字体質のアストロズ存続という命題に君嶋はどのような答えを出すのか。ゼネラルマネージャーとしての手腕に期待がかかる。


 君嶋の妻・真希を演じるのは松たか子。夫を尻に敷く妻役として、大泉と息の合ったコンビネーションが見られそうだ。会社やチームで抜群のリーダーシップを発揮する君嶋が、家では冴えない夫に様変わりするギャップにも注目だ。


■個性豊かなアストロズメンバー
 『ノーサイド・ゲーム』ではラグビーの試合や練習シーンがたびたび登場する。


 今回、オーディションを経て決定したアストロズのメンバーには、元ラグビー日本代表を含む競技経験者が多数在籍。鍛え上げた筋肉がぶつかり合う白熱のラグビーシーンは今作の見どころのひとつだ。


 チームの頭脳であるアナリスト、佐倉多英にミュージカル界の看板女優・笹本玲奈を抜てきし、ドラマのカギを握る新生アストロズ監督・柴門琢磨に大谷亮平、未知のポテンシャルを秘めた期待のルーキー・七尾圭太に眞栄田郷敦を起用するなど、フレッシュさを兼ね備えた重厚な布陣で臨む。


 不思議な縁に導かれてフィールドに立ったメンバーのチーム再建に賭ける思いは、どのように実を結ぶのか。アストロズの歴史と一人ひとりの歩みが重なり合うことで生まれる、奥行きのあるドラマの演出に注目したい。


 ラグビーで試合終了を意味する「ノーサイド」は、敵・味方の健闘をたたえあうラグビー精神を象徴する言葉である。君嶋が立ち向かう相手はフィールドの中だけでなく社の内外に及ぶ。敵・味方が入り乱れる現実社会で最後のトライを決めるために、隅々まで見どころの詰まった『ノーサイド・ゲーム』はそのヒントを与えてくれるだろう。


 酷暑を吹き飛ばすようなプレーの醍醐味と画面から伝わる熱量をぜひ感じてほしい。


■石河コウヘイ
エンタメライター、「じっちゃんの名にかけて」。東京辺境で音楽やドラマについての文章を書いています。