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MotoGP:王者マルケスがドイツGP10年連続制覇の記録に向け好発進。中上は足の痛みに苦しむ

2019年07月06日 04:31  AUTOSPORT web

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MotoGP第9戦ドイツGPの初日を総合トップで終えたマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)
MotoGP第9戦ドイツGPは初日に2回のフリー走行がドイツのザクセンリンクで行われ、マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)が総合トップタイムを記録した。

 6月30日に行われた第8戦オランダGPに続き、連戦での開催となるドイツGP。ザクセンリンクは現王者のマルケスが最高峰クラスに昇格した2013年から6年連続で優勝している得意なコースだ。2019年もマルケスがドイツGPで優勝した場合、マルケスは7年連続、2010年の125cc時代と2011年~2012年のMoto2時代の優勝も含めると10年連続でドイツGPを制することになる。

 今大会も22名のライダーがエントリーしているが、ホルヘ・ロレンソ(レプソル・ホンダ・チーム)はオランダGPでの転倒で第6胸椎と第8胸椎を骨折したことにより欠場。代役としてHRC(ホンダ・レーシング)テストライダーのステファン・ブラドルが出場している。

 ドイツGPのフリー走行1は現地時間の午前9時55分からスタート。天候は曇り、気温20度、路面温度25度のドライコンディションで45分間行われた。

 ほとんどのライダーはフロントにソフトタイヤ、リヤにミディアムタイヤを選択してコースイン。開始5分ではマルケスが1分22秒420を記録してリーダーボードのトップに立つ。

 マルケスはその後もタイムを更新。8分が経過したところでは1分22秒を切るをマークすると、その数周後に1分21秒464を記録した。

 セッションが13分を経過したところでフランセスコ・バニャイア(プラマック・レーシング)が8コーナーでスリップダウン。グラベルに体を強く打ち付けたが、その後立ち上がってオフィシャルのバイクでピットへと戻っている。

 しばらくはマルケスのタイムを破るものは現れずセッションは進んでいく。セッションが残り1分を切ろうというところでファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)が1分21秒390を記録してトップタイムを塗り替える。

 トップに立ったクアルタラロは、そのままフリー走行1回目を制してセッション最速に。マルケスは0.074秒差の2番手。3番手には0.574秒差の1分21秒964をマークしたバレンティーノ・ロッシ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)が続いた。

 4番手は1分21秒967を記録したアレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)。ここまでが1分21秒台のタイムを記録した。前戦オランダGPの決勝で激しい転倒を喫した中上貴晶は1分22秒415を記録し9番手だった。

 なお、このセッション中にホンダのガレージではフレームのメインチューブをカーボンで包んだ新型シャシーと思われるマシンの姿も見られた。

 フリー走行2回目は現地時間の午後2時10分にスタート。午後になると空には青空が見え始め、コンディションは気温25度、路面温度43度と、フリー走行1回目に比べ路面温度が20度近く上昇する。

 路面温度の上昇により、セッション序盤はミディアムとハードを選択する者で分かれた。まずは、フリー走行1回目で4番手だったリンスが1分21秒408を記録してセッションのトップに立つ。このときリンスはフロントとリヤともにミディアムタイヤを選択していた。

 開始7分後にはリンスのタイムをフロント、リヤともにハードタイヤを選択したマルケスが1分21秒113をマークして塗り替える。

 このセッションでもマルケスはしばらくリーダーボードのチップに。セッションが25分を経過すると、フロントにミディアム、リヤにハードタイヤを選択して走行していたクアルタラロがマルケスのタイムを0.013秒上回る1分21秒100を記録してトップに立つ。

 セッションが残り9分を切ったところでリンスが1分20秒台に迫る1分21秒046をマークしてクアルタラロのトップタイムを更新。このときのタイヤはフロントにミディアム、リヤにハードという組み合わせだった。

 最後のアタックが始まると、フロントにミディアム、リヤにソフトを履いたマルケスが1分21秒を切る1分20秒705を記録してトップを奪取。その後、1分21秒を切る者は現れず、マルケスがそのままこのセッションを制して、初日を総合トップで終えた。

 2番手はマルケスから0.341差のリンス。3番手にはフリー走行1回目トップのクアルタラロと続いた。クアルタラロは最後のアタック中、トラフィックに何度か引っかかり、思うようなアタックができなかったのか、チェッカー後に両手を挙げて憤慨しているようなしぐさを見せていた。

 中上はフリー走行1回目終了後に足の痛みがひどくなったようで、フリー走行2回目は痛み止めを飲んで出走するも、思ったようにタイム更新ができず15番手に後退。総合でも15番手で初日を終えた。

 なお、フリー走行1回目で転倒を喫したバニャイアは、セッション終了後に精密検査を受けるために近郊の病院へ向かったためフリー走行2回目には出走しなかった。検査の結果、問題はなかったようで、バニャイアはフリー走行3回目には予定通り出走する。