2019年07月05日 17:02 おたくま経済新聞
国内外に多くのファンを持つ大友克洋さん。その新作アニメ映画「ORBITAL ERA」の制作が、7月4日(現地時間)アメリカ、ロサンゼルスで開催中の「Anime Expo 2019」で発表されました。また、原作の舞台である2019年を迎えた「AKIRA」の新アニメ化プロジェクトも発表されています。
情報量の多い緻密な描き込みでありながら乾いた描写で、1980年代以降の漫画表現に大きな影響を与えた大友克洋さん。1987年に発表されたオムニバス作品「迷宮物語」の一編「工事中止命令」でアニメ監督としてデビューし、自身の原作を映像化した1988年の劇場アニメ「AKIRA」以降は、主に映像の世界で活躍しています。
今回、大友克洋さんの新作アニメが発表されたロサンゼルスの「Anime Expo 2019」は、アメリカ西海岸最大級のアニメ系コンベンション。発表は制作を担当する株式会社サンライズのパネル(発表イベント)で行われました。大友監督作品としては、2013年のオムニバス作品「SHORT PEACE」の「火要鎮」以来のアニメ映画となります。
発表と同時に公開された「ORBITAL ERA」キービジュアルは、地球をバックにした宇宙空間に、旧ソ連の宇宙服に身を包んだ人物がスケートボードを小脇に抱えて立つ姿。手前に見えるドッキングポートらしき開口部は、NASAが国際宇宙ステーションで採用しているものとよく似ています。
また同時に、名作「AKIRA」の新アニメ化プロジェクトも発表されています。原作が2020年のオリンピックを控えたネオ東京を舞台にしているだけに、作品世界の年代と重なるタイミングでのプロジェクト始動に注目が集まりそうです。これについては詳細が決まり次第随時情報が公開されるとのこと。
そして大友克洋さんの作品群を俯瞰し、現時点での集大成となる大全集「OTOMO THE COMPLETE WORKS」が株式会社講談社より出版されることも発表されています。大友さん自身が自らの作品群を編集、構成し、作家・大友克洋の創作と思考の軌跡をその誕生からたどることをテーマにしているとのこと。
内容は初の漫画作品からはじまり、全ての作品や発言を年代順に収録するとのことで、まさに大友克洋作品の世界を全てパッケージしたものになるようです。こちらも内容や刊行開始時期など、詳細については後日明らかになるとのことです。
アニメ映画「ORBITAL ERA」は、すでに公式サイトと公式Twitter(@orbitalera)が始動しており、公式サイトでは今回ロサンゼルスAnime Expo 2019で行われた発表の一部が閲覧できるようになっています。
(C) KATSUHIRO OTOMO・MASH・ROOM/O.E PROJECT
情報提供:株式会社サンライズ
(咲村珠樹)