マクラーレンF1チームのマネージングディレクターを務めるアンドレアス・ザイドルは、チームがグリッドの上位に返り咲くためには、将来的にリスクを取らざるを得ないと述べている。
4年に及ぶパフォーマンス不振と苦戦のうち、3年をホンダと過ごしたマクラーレンだが、2019年シーズンは調子を取り戻している。
ルノー製パワーユニットを搭載した2019年型マシン『MCL34』は、F1の中団グループをリードしており、若手ドライバーのカルロス・サインツJr.とランド・ノリスが安定したパフォーマンスを発揮できることを証明している。
しかしながら、F1において2番目に成功を収めてきたマクラーレンの今シーズンにおける改善は、過去の栄光を取り戻すための一歩にすぎない。
ザイドルは、マクラーレンの上昇傾向を維持するには、その過程でミスが起きるとしてもリスクを取ることが必要だと主張している。
「私はみんなにリスクを取ることを奨励するタイプだ。そして何かがうまくいかない時には、彼らを守る」とザイドルは説明した。
「ミスが起きることがあるということを受け入れなければならない」
「まずミスを防ぐようにするべきであり、ミスが再び起きないようにするべきであることは確かだ。だが、我々の立ち位置ではリスクを取る必要がある」
「だがリスクを取るには、変わらぬ自信を持ち、チーム内でもある種のカルチャーと精神性を持つことが必要だ。それが今、我々がともに再び築き上げなければならないことだと考えている。それが悪いことだとは思っていない」
「私が加入した際、今年すでに達成された素晴らしい結果のすべてに非常に感銘を受けた。積極的な雰囲気や素晴らしい勢いがあることについてもだ。そうした方向へ進み続けることが、今は重要なのだ」
先を見据えるザイドルは、マクラーレンは最終的にはエンジニアリングとデザインにおいてより“大胆な”アプローチを取ることになり、リスクを取ることが結果に繋がると語っている。
「私にとって最も重要なことは、ファクトリーと現場において進歩を継続し、チームとして改善を継続することだ」
「そうするにあたって我々が使用する手法やツール、その他すべてのものについて細部にわたって確実に検討する時間を取ることも重要だ」
「なぜなら、特に我々が(ライバルに)つけられている差を考えると、そのことが最終的に必要となる強力な開発の基盤となるからだ」
「チーム内において、もう一度この自信を築かなければならない」
「リスクがあるような大胆なコンセプトを選択するのに、十分な勇気を持つのだ。メルセデスのような、多くの経験と自信を持つ他のチームは、そういうことができる」
「またピットストップやレース戦略において、我々はトップチームと戦えるということをすでに見せているが、そうした状態を保つことも重要だ。なぜならパフォーマンス面で差をつけられていることは明確であり、その点には時間がかかるからだ」