東京都は7月4日、手足口病の流行警報を発表した。都内264箇所の小児科定点医療機関から報告された患者数は、1つの医療機関あたり、6月24日から30日の週で5.10人。保健所別に見ると、患者報告数が警報を超えたのは31保健所中10か所で、管内人口は都全体の36.5%にのぼる。
4日時点で警戒レベルにあるのは、報告数が多い順に江東区(15.33)、中央区(13.0)、目黒区(10.80)、多摩小平(8.50)、世田谷(7.13)、葛飾区(6.75)、江戸川(6.33)、練馬区(6.31)、台東(6.25)中野区(6.17)。
手足口病はウイルスによる感染症で、夏に流行することが多い。感染すると、3~5日後に口の中や手のひら、足の裏などに水疱性の発疹ができる。高い熱はあまり出ないが、稀に重症化すると、合併症として急性脳炎や心筋炎の恐れがある。
水疱で「ペットボトルが開けられない」など日常生活に支障
警報は東京都以外にも、茨城県や愛知県などで出ている。流行は特に西日本で目立ち、九州では7県全てで警報が出された。
患者の咳やくしゃみに含まれるウイルスを吸い込むことによる飛まつ感染や、水疱や便の中のウイルスが、手を介して口や眼などの粘膜に入ることによる経口及び接触感染が中心だ。東京都福祉保健局の担当者によると、1歳から5歳にかけては、年齢が1歳上がるごとに感染者が減るといい、小さい子供のほうがかかりやすいそうだ。
大人も、免疫を持っていない場合はかかる可能性があるが、「大人の方が重症化しやすいなどの特徴はない」という。手足口病は芸能人でも、お笑いコンビ、ナインティナインの矢部浩之さんや芸人の品川佑さんなどが大人になってから感染している。二人とも「ペットボトルが開けられない」など、感染によって日常生活に困ったことを明かしていた。
予防には、こまめな手洗い、マスクの使用、幼稚園や保育園などの集団生活ではタオルの共用を避ける等が有効だ。 症状がおさまった後も2~4週間、便などにウイルスが排泄されるため、東京都は、トイレの後やおむつ交換後の手洗いを徹底するよう呼びかけている。