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その名は『GT Mk II』。フォード、限定45台のサーキット専用モデルをグッドウッドで世界初公開

2019年07月05日 11:41  AUTOSPORT web

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グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでワールドプレミアされた『フォードGT Mk II』
フォードとマルチマチックは7月4日、WEC世界耐久選手権のLM-GTEクラスに投入していたフォードGTをベースに、さらなるパフォーマンスを授けたトラック専用モデル『フォードGT Mk II』をイギリス、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードの会場で世界初披露した。

 事前にフォード、マルチマチックから公開が予告されていた『GT』ベースの“ウルトラ・ハイパフォーマンス・バージョン”がイギリスを代表するモータースポーツの祭典のイベント初日に発表された。

 GT Mk IIと名付けられたこのマシンは、ロードカーの安全基準や制限、主要レースでの車両レギュレーションに縛られることなく、フォードGTが本来が備えるパフォーマンスを最大限まで引き出したサーキット専用モデルだ。

 その外観はベースとなっているLM-GTE仕様を踏襲するスタイルとなっているが、空力面ではフロントスプリッターとディフューザーを新設計したほか、フェンダールーバーを新設。また、リヤには大型デュアルエレメントウイングなどを採用したことで、GTE仕様と比べて4倍にもなるダウンフォースを生み出すことに成功しているという。

 そのリヤウイング前方に目を移すと、エアインテークが従来のレースカーと比べて大柄になっているのが確認できる。これは、エアリストリクターから開放されたことで、より強大なパワーを発揮することになった3.5リットルV6ターボエンジンやクラッチ、トランスミッションクーラーの冷却を助けるものだ。

 また、GT Mk IIでは700馬力を発揮するエンジンをより効率的に冷やすため、アウトボード型ラジエーターにウォータースプレー技術を取り入れている。この機構は外気温が高くなった際に自動的に作動する仕組みで、これによって新型レーサーは高温時でも熱ダレを起こすことなく一定のパワーを発生させることが可能となっている。

 これと同時に足回りでは、ロードカー由来のフロント15.5インチ、リヤ14.1インチのカーボンセラミックブレーキを採用。一方でロードカーに備わる、走行モードとリンクした車高調整機能は取り除かれ、5段階で調整可能なDSSVショックアブソーバーが設定された。

 この結果、車両重量で200ポンド(約90kg)の軽量化を実現するとともに、より低い車高を保つことが可能となり、床下での安定したダウンフォース獲得に貢献している。

 世界限定45台のハイパフォーマンスカーを、フォードとともに作り上げたマルチマチックのラリー・ホルト最高技術責任者はGT Mk IIについて、次のように語っている。

「これまで、『フォードGT』が持つ真のパフォーマンスは、充分に紹介されていなかった」

「(限定250台が発売された)ロードカーは、遵守しなければならない多くのグローバル・ホモロゲーションを満たさなければならず、明らかな制限を受けた。また、レースカーもバランス・オブ・パフォーマンス(BoP)によって恐ろしいほどの規制に苦しんでおり、その結果、(エンジンパワーでは)ロードカーと比べて150馬力も落とされていたんだ」

「GT Mk IIは、こうしたあらゆる制約をクリアした状態で、クルマがどのように機能するかという、よく聞かれる質問に答えている。その答えはご覧のとおり、見事なものだ」