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Nintendo Switch Mini対応ケースがまた流出 Miniは年末商戦、Switch Proは来年投入か?

2019年07月05日 07:41  リアルサウンド

リアルサウンド

WinFuture「Nintendo Switch-Nachfolger: Hülle der "Mini Switch 2" durchgesick…」より引用

 Nintendo Switchの廉価版『Switch Mini』が6月末までにリリースされるのではないかいう噂は、対応ケースがオンラインストアに出品されるという事態を引き起こしたものの、結局はリリースされずに7月となった。しかし、依然としてリリース時期が遠くないと思われる証拠がまたしても見つかった。


(参考:任天堂、『E3』舞台裏でリーク阻止の熾烈な攻防


・国際的な企業が流出元
 ドイツのテック系メディア『WinFuture』は1日、Nintendo Switch Mini対応シリコンケースと思われる画像を公開した。画像の流出元は、ヨーロッパと香港に販路をもつスマホアクセサリーメーカーのBIGBENである。国際的な販路をもつ企業が流出元となると、例えば中国限定のアクセサリーメーカーと比べると、情報の信憑性が増す。


 以上の流出画像のほかにも、Switch Miniの外見を示すレンダリングイメージが公開された。任天堂ニュース専門メディア『nintendo life』はこのふたつの画像を引用して、Switch Miniに関してわかっていることをまとめた考察記事を公開している。画像を見るとわかるように、Switch Miniでは取り外し可能なJoy-Conは実装されないようだ。しかし、別売りされているJoy-Conからの入力は受け付けると推測されている。同様に、既存のNintendo Switchドックにも対応しており、ドックに差し込んで充電できるのではないかと考えられている。


 Switch Miniのリリース日についても考察されており、2019年のクリスマスを含む年末商戦に投入という可能性が高い、と報じられている。もっとも、リリース時期が遅れて2020年になることもあり得る、とのこと。


・Nintendo Switch Proは来年?
 Nintendo Switchにまつわる噂として、Switch次世代機が開発されているというものがある。前出した『nintendo life』の考察記事は、この次世代機に関する情報もまとめている。『Nintendo Switch Pro』とも言われる次世代機には、現行機より高性能なチップが実装されると見られている。この予想の背景には、現行機にチップを供給しているチップメーカーのNVIDIAの動向が関係している。


 先月17日に公開された『nintendo life』の記事によると、NVIDIAは同社が販売するストリーミングゲーム対応機「NVIDIA SHIELD TV」の次世代機を開発している。実のところ、SHIELD TVの現行機に実装されているチップとNintendo Switchのそれは同じものが使われている。こうした事情とSHIELD TV次世代機には新型チップが実装されるという予想を合わせると、NVIDIAはNintendo次世代機にも使えるチップを開発しているのではないか、という推論が成り立つのだ。


 以上の新型チップの仕様についても、判明しつつある。新型チップはグラフィック描画能力を向上させるよりは、消費電力を抑えることに注力しているようだ。それゆえ、Switch次世代機は格段にグラフィック性能が向上するわけではなさそうなのである。


 Switch次世代機のリリース時期に関しては、来年の後半ではないかと見られている。また、Switch MiniとSwitch Proの同時リリースという可能性も否定できないとされている。同時リリースの場合、Switch Miniも2020年にリリースされることになるだろう。


・任天堂、中国進出の準備も進む
 任天堂の注目すべき動向には、Switch関連のほかに同社の中国進出がある。この話題に関しては『ブルームバーグ』が2日に報じたところによると、任天堂中国進出における中国側の窓口となる同国インターネットサービス最大手のテンセントがNintendo Switch関連の求人広告を出した。求人の内容は、データアナリスト、Switch用ゲーム開発の監督者、そして中国現地でSwitchのエコシステムを構築する支援業務に携わる人材である。


 任天堂中国進出における中国側の動向に関しては、同国の英字テック系メディア『abacus』が4日に報じている。その報道によると、テンセントと深いつながりのある中国人ゲーム実況者が、Switchに関してはリージョンロックが適用されないと発言した。リージョンロックとは、ゲームやアプリを特定の地域で利用できないようにする設定を指す。ゲーム産業を政府の管理下に置いている中国においては検閲を理由として海外製ゲームの内容を一部変更して中国向けのゲームを販売する一方で、 内容の変更されていない海外製ゲームを購入できないようにするためにリージョンロックが用いられる。Switchではこうしたリージョンロックが適用されない場合、中国人ゲーマーが海外のゲーマーと同じゲーム体験ができることになる。以上のことが本当であれば、中国人ゲーマーにとっては朗報であると同時に、任天堂が中国当局に信頼されていることも意味しているだろう。


 巨大な中国ゲーム市場に対しては、過去にSonyやMicrosoftがそれぞれのゲーム機を売り出して進出を図ったのだが、大きな成果を上げずに今日に至っている。同国のゲーム市場に進出する際の大きな壁となってきたが、ゲームの検閲である。今回の任天堂の進出に関しては、この壁が取り払われるかも知れない。Switch Miniのリリースも考慮すると、任天堂は史上初めて中国のゲーム市場に本格進出した企業となっても不思議ではないだろう。


(吉本幸記)