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ホンダ山本雅史MD優勝インタビュー(1):「このチャンスを絶対にモノにしたかった」。ミーティングを重ねホンダが一丸となって掴んだ勝利

2019年07月03日 07:11  AUTOSPORT web

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2019年F1第9戦オーストリアGP ホンダF1山本雅史マネージングディレクター、クリスチャン・ホーナー
優勝の興奮冷めやらぬ中で行われたホンダの山本雅史マネージングディレクターへのインタビュー。今回のF1第9戦オーストリアGPが、モナコに次ぐ「優勝を狙ったレース」であり、レース現場を統括する田辺豊治テクニカルディレクターと事前に綿密に打ち合わせを繰り返したこと、さらに田辺TDが表彰台に上がった裏話も明らかにした。

 インタビューの時点ではまだ裁定結果は出ておらず、ペナルティで勝利を失う可能性もあった。だが山本MDにとっては、マックスの正しさは自明のことだったようだ。(※その後シャルル・ルクレールとフェルスタッペンの接触は、レーシングインシデント判定されペナルティが科されないことが正式に決定した。)

――FIA-F2での松下信治選手の優勝に続いて、F1でも最高の結果が出ました。正直なところ、山本さんはこの勝利を予想していましたか?
山本雅史マネージングディレクター(以下、山本MD):カナダ、フランスと、厳しいレースが続きましたよね。一方で車体側のアップデートも、うまく回り始めていました。

 今回はレッドブルの地元レースで、(ヘルムート)マルコさん(レッドブルのモータースポーツアドバイザー)からも、「プッシュして行こう」という話が出ていました。それで田辺とも話し合って、「いつもよりは攻めて行こう。このチャンスは、絶対にモノにしたいよね」と、金曜日から話していました。

 それで予選に向けては、もちろん信頼性を保ちながらも、できるだけ攻めようと。そうやってホンダが一丸となって臨んだ結果、予選3番手を獲得できました。

――そして(ルイス)ハミルトンのペナルティで、フロントロウの2番グリッドに上がりました。
山本MD:ええ。3番手を獲った時点で、マルコさんや(エイドリアン)ニューウェイさん(レッドブルのテクニカルディレクター)から、「いいセットアップをしてくれた」という言葉をもらっていたんですね。

 それが2番手に上がったことで、追い風は感じていました。実はレース前にオーナーの(ディートリヒ)マテシッツさんやマルコさん、(クリスチャン)ホーナー代表たちとランチをした際、「表彰台の真ん中を狙おう」という話も出たんです。

 そしたらマルコさんが、「もし勝ったら、ホンダの誰かが表彰台に上がっていいぞ」と言ってきた。それで私は、「一番苦労してる田辺を上げたい」と即答しました。マテシッツさんも、「それは、いいね」と。



――レース前に決まっていたんですね。
山本MD:ええ。僕はずっと、「モナコまでに勝ちたい」って言っていたじゃないですか。もちろんマックスはモナコでもいいレースをしてくれましたけど、届かなかった。じゃあ次に狙うのは、ここしかないだろうと。シルバーストンなどは、正直厳しいですし。だからこのサーキットにフォーカスしていました。

――とはいえ、狙って勝てるものでもないですよね。
山本MD:そう。だから田辺と何度もミーティングを重ねて、おかげで予選もいい方向に進みました。

――それだけにスタートは驚いたのではないでしょうか。
山本MD:まさか、という感じでしたよ(苦笑)。マックスでも、あんなことが起きるんだと。スタートで順位を落としたのは、まさかまさかのハプニングでしたね。

――今回も4位かと思いましたか?
山本MD:そうは思わなかったです。マックスの走りを見ていたら、特に後半は神がかっていましたから。いわゆる、ゾーンに入っている感じでしたね。

――雨のブラジルGPの走りも凄かったですが(2016年、フェルスタッペンは雨の中、14番手から3位を勝ち取った)
山本MD:ええ。今回はルクレールを追いかけてた残り10周の最速ラップ連発には、少しシビれましたね。

※ホンダF1山本雅史MD 初優勝インタビュー(2)に続く