7月1日放送の『5時に夢中!』(TOKYO MX)で、マツコ・デラックスさんが男性保育士の働き方についてコメントした。番組では、読売新聞の「男性保育士の性犯罪」についての記事を紹介。2014から18年の5年間に、犯罪によって保育士登録が取り消された男性保育士は22人。そのうち、理由が開示された16人すべてが性犯罪だった。
加害者が被害者の幼児に口止めしていたなどの被害例と共に、「本来は子供を守る存在であるはずの保育士が、職務上の立場を悪用して、わいせつ行為におよぶケースが、各地で相次いでいる」と記事は伝えている。(文:okei)
「できるだけ疑いの目を向けられないような仕事を振るしかない」
一方で記事は、ある保育園での取り組みも紹介。プールの世話や着替えなどは女性、配膳や力仕事は男性保育士が担当しており、園長は「男性保育士にとって疑いを持たれるのはつらいこと。疑われない環境を整備することが必要だ」としている。
男性保育士の登録数は10年前の倍、約7万8000人を超えており、株式トレーダーで1児の母である若林史江さんは、「7万8000人いるうちのたった16かもしれないんですけど、すべて性犯罪となると由々しき問題で、考えていかなければいけない問題」とコメント。
しかし男性保育士については肯定的で、子どもが男性と遊ぶ楽しさが園にあるのは良いことなので、「監視の目というか、2人きりにさせないなどを徹底しながら、男性のかたをもっと保育園や幼稚園に入れていってあげて欲しいと思いますね」と語った。
これに対してマツコさんは終始むずかしい表情で、
「監視の目ってなっちゃうと人権問題になってくるから」
「この(紹介された)保育園のように、できるだけそういうことが起きない状況を作ってあげるしかない」
「かといって"男性は力仕事"ってなってくるとそれはそれで差別的だし。すごいデリケートなんだけど、できるだけ疑いの目を向けられないような仕事を男性保育士に振るしかないと思う」
と意見を述べた。
確かに、「監視」は犯罪の危険性があるという前提で行なわれるため、人権問題になってくる。性別によって職業差別されるようなことがあってはならない。
真面目に働いている男性保育士は大迷惑 偏見を持たないことが大事
筆者の子どもが幼稚園のとき、男性の教諭は園に2人いて、教育実習性も6人中2人くらいは男性だった。男性が保育士や幼稚園教諭を目指すことはさほど珍しくなくなっていた。皆さん子どもに人気のユーモアセンスがあり、楽しい先生たちだったと記憶している。
どんな職業でも罪を犯す人はいるので、こうした事件で偏見を持たれかねない状況は、真面目に働いている男性保育士にとっては大迷惑だ。なりたくても選択を諦める男性も出てくるだろう。保育士不足が叫ばれるなか、大きな損失になってしまう。
マツコさんが言うように、保育現場では仕事の区別など苦渋の決断をしなくてはならないこともあるかもしれないが、偏見を持たないことが何より大切だ。