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中上、MotoGPオランダGPでロッシと接触し激しく転倒も骨折なし。「何が起こったのかよく覚えていない」

2019年07月01日 18:31  AUTOSPORT web

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中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)
MotoGP第8戦オランダGPの決勝レースで転倒リタイアを喫した中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)。クラッシュは激しいもので、中上はメディカルセンターに運ばれたものの、大きな怪我はないことが確認されている。そのとき、何があったのか。

 中上が激しい転倒を喫したのはレース序盤だった。序盤からカル・クラッチロー(LCRホンダ・カストロール)やジャック・ミラー(プラマック・レーシング)、そしてバレンティーノ・ロッシ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)とポジション争いを繰り広げていた中上。クラッチローとミラーに先行を許したあと、5周目にはロッシと10番手を争っていた。

 ふたりの転倒の瞬間を映した映像は確認できないが、ロッシのオンボード映像とふたりの証言を併せると、状況はこうだ。ロッシは直前の7コーナーで中上のアウトにポジションを取り、8コーナーに向かう短い直線で加速。8コーナーではインをとり、中上の前に出ようとしていた。しかしそのとき、ロッシはフロントグリップを失う。

 ロッシのアウト側にいた中上はロッシに押し出され、転倒。奇しくも高速コーナーだったためにふたりはグラベルに激しく突っ込んでいった。

 転倒後、ロッシは自力で立ち上がったが、中上はグラベルに横たわったまま、メディカルスタッフに囲まれている様子が確認されている。ロッシはそんな中上に近寄り、案じる様子を見せていた。

「あのラップではロッシに1コーナーで抜かれ、2コーナーで抜き返しました。そして再び8コーナーで、ロッシがイン側からオーバーテイクを仕掛けてきたんです。ロッシがフロントを滑らせたのを見たと思ったら、対応する間もなく押し出されてしまいました」中上は転倒時の様子をそう振り返っている。

 中上は転倒後、メディカルセンターに運ばれ、無事が確認された。左足首に痛みを感じているものの、骨折などの大きな怪我はないという。

「不運なクラッシュでした。でもとにかく、完全に大丈夫というわけではありませんが、このようなひどいクラッシュで深刻な怪我がなくてよかったです。フェンスに打ち付けられましたが、何が起こったのか、よく覚えていないんです」

 一方、中上と接触したロッシは自分の過ちを認めている。

「ナカガミとバトルしていて、8コーナーの進入でオーバーテイクしようとしていたんだ。けれど、少しラインを外しすぎてしまったのだと思う。コーナー入り口でフロントグリップを失い、そしてナカガミを転倒させてしまった。とても申し訳ないし、『ソーリー』と謝りたいよ」

 中上にとって不運な週末の締めくくりとなったオランダGP。しかし大きな怪我がなかったことは、幸いだったと言うべきだろう。