リクルートキャリアは6月28日、理系の就職活動に関する調査の分析結果を発表した。理系学生の最初の内定獲得時期は学科系統によって違いが出るようだ。
調査は今年6月、「リクナビ2020」上でモニター登録した理系学部生・大学院生6397人を対象に実施。学部生1662人、大学院生511人を集計対象にしている。学生を「生物・農学・水産系」、「機械・電子・電気系」、「情報工学系」、「建築・土木系」等に分類し、初めて内定を獲得した時期を比較した。
情報工学系は他に先んじて2月に15%が内定獲得
学部生全体では、初内定獲得のピークは4月(45.3%)、3月(19.5%)、5月(17.5%)の順に多かった。学科系統別に見ると、ピークが最も早かったのは「建築・土木系」で3月(41.6%)。「機械・電子・電気系」と 「情報工学系」は4月で、それぞれ46.8%、44.0%だった。「生物・農学・水産系」は最も遅く5月(40.3%)だった。
情報工学系は2月に初めて内定をもらった人が15%いる。他の専攻で同時期に内定を獲得した人は多くても5%台と少なく、情報工学系の内定獲得の早さが目立った。
内定取得先企業の業種は53%が「情報・サービス業」だった。次いで「製造業」(38.1%)、「建設業」(9.6%)の順に高い。
学科系統別に見ると、「生物・農学・水産系」は「製造業」(47.0%)と「情報・サービス業」(46.0%)が同程度多い。また、「流通業」の内定取得が10.2%と他と比べ高くなっている。「機械・電子・電気系」は「製造業」(69.6%)が最も高く、2位は「情報・サービス業」(33.6%)だった。
「情報工学系」は「情報・サービス業」(86.5%)で内定を獲得している人が最多で、2位の「製造業」(13.3%)と大きな差を付けた。「建築・土木系」は、「建設業」(76.3%) が最も高い。次いで多かったのは「情報・サービス業」(25.3%)だった。
院生は7割が製造業に内定
院生の場合、学部生とは異なり、最初の内定獲得時期はどの学科系統でも4月がピークだった。内定を得た業種も、院生では「製造業」(70 .2%)が最多だった。2位は「情報・サービス業」(36.0%)、3位は「建設業」(3.7%)だった。
「生物・農学・水産系」は、「製造業」が62.2%、「情報・サービス業」が43.2%。他の学科系統と比べると「建設業」、「流通業」、「金融業」から内定を取得している割合が高く、幅広い業種から内定を取得しているのが特徴だ。「機械・電子・電気系」は、「製造業」が91.3%だった。「情報工学系」は「情報・サービス業」が68.5%と最も高く、次いで「製造業」が35.2%だった。