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レッドブル・ホンダF1密着:覚醒したフェルスタッペンにライバルが賛辞「コースで一番輝いていたのはレッドブル・ホンダだ」

2019年07月01日 14:11  AUTOSPORT web

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2019年F1第9戦オーストリアGPで優勝を飾ったマックス・フェルスタッペン
今年のオーストリアGPのレース展開と結末を、だれが想像していただろうか。それほど、今回のレースは予想外の出来事の連続だった。

 波乱はいきなりスタートから起きた。フロントロウ、2番グリッドからスタートしたマックス・フェルスタッペンが、ブラックアウトの直後に失速。1コーナーまでに7番手にポジションを下げてしまう。

 さらに3コーナーの立ち上がりで、チームメイトのピエール・ガスリーにも先行を許したフェルスタッペンは、一時8番手となる。これを見ていたレッドブルのヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)は、「今日のレースは終わった」と諦めかけた。

 しかし、オープニングラップの9コーナー手前で、フェルスタッペンがガスリーを抜き返すと、フェルスタッペンは覚醒したように、前車をオーバーテイクしていった。7周目にマクラーレンのランド・ノリスを抜き、9周目にはアルファロメオのキミ・ライコネンもオーバーテイクした。

 これで5番手に上がったフェルスタッペンだが、序盤にブレーキをロックさせて、フロントタイヤにフラットスポットを作っていたため、その後は我慢の走りを強いられた。

 それでも上位陣で最も遅い31周目にピットインしたフェルスタッペンは、1周前にピットストップし、フロントウイングを交換したルイス・ハミルトン(メルセデス)に代わって、4番手に浮上。41周目には表彰台圏内まで2秒以下に迫る。

 前を走るのはトップのシャルル・ルクレール(フェラーリ)、2番手のバルテリ・ボッタス(メルセデス)、そして3番手のセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)だ。

 まず50周目にベッテルをオーバーテイク。56周目にはボッタスを1発で抜く。最後は残り3周となった69周目にルクレールを抜き去り、トップのままチェッカーフラッグを受けた。

 レース後に、ルクレールをオーバーテイクした際に接触したことで審議の対象となったが、レーススチュワードが下した裁定は、レーシングインシデントとして、ペナルティを科さないという判断だった。

「スタートで失速した瞬間、この日のレースを諦めかけていたが、我々にはホンダのパワーユニットがあった。彼らは最後の30周、我々にエキストラパワーを授けてくれた」(ヘルムート・マルコ/レッドブルのモータースポーツアドバイザー)

 その走りを、レッドブル・ホンダに開幕からの連勝を止められたメルセデスのトト・ウォルフ(チーム代表)は、こう称えた。

「ファンタスティック!!  今日、コースで一番輝いていたのは、レッドブル・ホンダだった」