VASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカーの人気ドライバーで、2018年までニッサン・モータースポーツのファクトリーチームだったケリー・レーシングに所属したマイケル・カルーソが、怪我で休養中のリッチー・スタナウェイに代わって古巣GRM(ギャリー・ロジャース・モータースポーツ)に復帰。次戦タウンスヴィル400からホールデン・コモドアZBのステアリングを握ることになった。
自身をトップカテゴリーに引き上げてくれたティックフォード・レーシングに別れを告げ、2019年から心機一転、GRMに移籍していたスタナウェイは、下位カテゴリー時代の古傷である首の痛みが再発し、ここ3戦を欠場する状況が続いていた。
その代役として、同じくGRMで新生TCRオーストラリアに参戦しルノー・メガーヌR.S.TCRをドライブするクリス・ピザーが3戦でホールデンをドライブし、スタナウェイに匹敵する成績を残してきたが、チームはここへきて改めてカルーソに白刃の矢を立てることになった。
そのカルーソは2008年のVASCデビュー時にGRMからキャリアをスタートさせており、2009年にはチームとともに初優勝も記録。2013年にニッサンとのファクトリー契約を結んだケリー・レーシングに移籍するまで、GRMとともにシリーズを戦ってきた。
2018年限りでそのケリー・ニッサンとも袂を分かったカルーソは、2019年に向けティックフォード・レーシングと契約。年間3戦が設定される500マイル超えの“エンデューロ・カップ”登録ドライバーとして、キャメロン・ウォーターズとのペアで6号車モンスターエナジー・フォード・マスタングをドライブすることが決まっていた。
その役割に加えて、急遽ホールデン陣営のシートを獲得することになったカルーソは、GRMが発表したステートメントの中で、Boost Mobile Racingの33号車でレースを戦う意気込みを語った。
「GRMにカムバックし、タウンスビル400の週末に彼らのレースカーをドライブするのが心から楽しみだ。彼らとレースした思い出は忘れ難いもので、久しぶりのチームだがおなじみの顔ばかりで、まるで我が家のように感じるよ」と、喜びを綴ったカルーソ。
「この契約はティックフォード・レーシングの承認なしには成し得なかった。GRMでタウンスビルに出場する機会をくれた(ティックフォードCEOの)ティム・エドワーズと彼のクルーに改めて深い感謝を捧げたい」
「個人的には、耐久カップを戦う前にレースカーで周回数を重ねることができるのは素晴らしい機会になる。2018年最終戦のニューキャッスル以来レースをしていないが、頭と体が"レースモード"に戻るのに時間はいらないと確信している」
「怪我に苦しむリッチーを思うと本当に残念だが、彼の一刻も早い回復を祈っている。彼とチームのために最善を尽くし、1ポイントでも多く持ち帰れるよう全力でドライブするよ」
VASC2019年シーズン第8戦のタウンスヴィル400は7月5~7日の週末に開催され、土曜と日曜それぞれ200kmのレースが予定されている。