2019ETRC開幕戦、オープニングのレース1を制した王者ヨッヘン・ハーンとIVECO シリーズ年間観客動員数42万人、全世界198の国と地域で1億1100万人の視聴者を獲得しているトラックヘッドによるFIA欧州選手権、ETRCヨーロピアン・トラック・レーシング・チャンピオンシップの2019年シーズンがイタリア・ミサノで開幕。快晴の土曜レース1は王者ヨッヘン・ハーン(ヨッヘン・ハーン・レーシング/イベコ)が完勝し、日曜豪雨のレース3では、メルセデス・ベンツ・トラックスを駆るノルベルト・キス(Team Tankpool24 Racing)がポール・トゥ・ウインを飾っている。
2019年も全8戦、16台の年間エントリーを集めて開催されるトレーラーヘッドによるチャンピオンシップは、5月25~26日の週末にイタリアのミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで開幕。
数々の記録を保持して、シリーズ史上もっとも成功を収めたドライバーでもあるハーンは、2018年に続いて6度目のタイトル獲得に向け予選から好発進を切り、スーパー・ポール・セッションで幸先良くフロントロウを確保する。
快晴で温かな日差しが注ぐ土曜午後のレース1も、2017年王者のアダム・ラッコ(Buggyra Racing/フレートライナー)、アントニオ・アルバセテ(Truck Sport Lutz Bernau/マン)らを従えて、王者ハーンがそのままの勢いで週末オープニングからポール・トゥ・ウインを決めてみせた。
インターバルを挟んでスタートを迎えたレース2は、レース1トップ8のリバースグリッドとなり、フロントロウアウト側2番手から発進のレネ・ラインアート(Reinert Racing/イベコ)が、ドイツ人として長年使用してきたこれまでのマンから心機一転。新たにステアリングを握るイベコでスタートダッシュを決めると、リバースポールのルイス・レクエンコ(Truck Sport Lutz Bernau/マン)のインを突き首位に浮上。
その後方では、当のラインアートに2018年型イベコを譲った元門下生のシュティフィ・ハルム(Team Schawabentruck/イベコ)が4番グリッドからオープニングラップから2番手に躍進し、イベコの最新モデルでかつてのチーム代表を追い回すレースを展開する。
しかし、12周目のファイナルラップに入ったところで攻めの走りが祟ったか、彼女のイベコはコーナー進入で激しくロックアップし、3番手を追走していたアルバセテに前を譲ることとなってしまった。
「実はレース序盤で足をつってしまい、さらに後方からはシュティフィが攻め立ててくるし、決して楽なレースではなかったよ」と、イベコで初勝利を飾ったラインアート。
一方、3位に終わったハルムも「彼のミスを待ち続けたけど、抜くにのに充分なものではなかった。後方のアントニオに対しても神経を使っていたつもりだったけど、ミスをしてラインの選択も誤ってしまったの」と、師弟対決を楽しんでの表彰台となった。
明けた日曜は予報どおり早朝から雨が路面を濡らす中、前日とは打って変わって見事な走りを見せたのがブラック&レッドのメルセデス。
Team Tankpool24のキスは予選スーパーポールを獲ると、雨量の増したレース3ではさらに安定感を見せ、2017年ハラマ戦以来の勝利をポール・トゥ・ウインで決めて見せた。
「今日の雨は最高だった。予選と同じように決勝前にも豪雨が来て、それがメルセデスのセッティングに完璧にマッチしたんだ。雨乞いをしてくれたイタリアの皆さんに感謝するよ(笑)。これがドライなら(2番手の)ラッコがもっと接近していたと思う」と、ハンガリー出身のキス。
そして週末最終のレース4は前戦でも3位表彰台を獲得していた帝王ハーンが、リバース6番グリッドからドライアップが進んだ路面のおかげで息を吹き返し快走。難コンディションのなかバトルを繰り広げ自滅していった先頭集団のレース展開にも助けられ、週末2勝目をマーク。2位サッシャ・レンツ(SL Trucksport 30/マン)、3位アンソニー・ヤニェク(Lion Truck Racing/マン)の表彰台となった。
続くETRC2019年シーズン第2戦は、6月22~23日の週末にトレーラーヘッドたちにはさらにツイスティなハンガロリンクを舞台に争われる。