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学生時代にイケてた人が社会人になってパッとしなくなる理由 「あいつは凄い」も今は昔…

2019年06月30日 09:20  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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大学生のキャリア支援と第二新卒層の転職支援という仕事をしている関係上、毎年数多くの学生さんや転職を考えている社会人の方とお会いします。継続的な支援を心がけていることもあり、学生時代に接点を持たせて頂いた方が社会人になり転職相談を受けることがあります。

そういった際に良く感じることがあります。

「学生時代、"イケてる学生"だった人が社会人になると、思ったよりパッとしない。仕事でバリバリ活躍していない」

ゼミやサークルで「あいつは凄い」と思われていたのに、社会人になったらそれほど活躍していない。みなさんにも思い当たる人がいるのではないでしょうか。(文:キャリアコンサルタント 坂元 俊介)

学生の「凄い」は「凄そうなことを言っている」だけということも

なぜ、こうした現象が起こるのでしょうか。大きく分けて3つの要因があります。1つ目のはズバリ社会人と大学生の"イケてる"の基準の違いです。社会人の"イケてる"の定義は、言わずもがな、「高い成果を上げている」ことでしょう。

では、大学生はどうでしょうか? 大学生と話していると、「あの子凄いんですよ!」とか「A君はめっちゃ優秀ですよ!」という話を聞くことがあります。しかし、実際は

・凄そうなことを"言っている"
・何か凄そうなことに対して"行動をしている"

であることがほとんどです。つまり、"成果"ではなく、"発言"や"行動"により"イケてる"と周りから判断されていることがほとんどなのです。

2つ目は、1つ目の要因から引き起こされるプライドの高さとフィードバック(以下、FB)拒否です。当たり前なのですが、社会人になりたての新入社員は、成果を出せません。自分自身のPDCAと先輩、上司からのFBを素直に聞くことにより、少しずつ成長して、成果を出していくのです。

ここで、大学時代から"発言"や"行動"だけでイケてるともてはやされていた人はどうなるでしょうか。

自分は他とは違うという考えから、先輩からのアドバイスを素直に聞かなかったり、"イケてる"自分のやり方が正しいとPDCAを回さなかったり、という弊害を起こしてしまうことがあります。よくいる、プライドが高くて扱いにくい、と言われる新入社員です。

こうなると、成長の階段を登れず、成果も中々出ません。一過性の成果が上がったとしても、更に難易度の高い仕事に向かう際には、いよいよ太刀打ちが出来なくなってしまいます。

逆に、大学時代いたって普通だった大学生の方が、自分は何者でもないと思っているため、素直に先輩や上司からのFBを聞き、成長の階段を上っていきます。時間が経つにつれ、大学時代イケていた人との逆転現象に繋がります。

他人のせいにすることでさらに"イケてない"社会人になってくる

3つ目は、自分は悪くない、周り(会社や評価、お客さんなど)が悪いという他責の姿勢です。1つ目と2つ目の積み重ねにより、いよいよドツボに入っていきます。あんなに大学時代普通だった人に自分が負けるはずがない、何かがおかしいという思考になっていきます。

その思考の結果、成果が出ない自分を認めることが出来ず、

・成果が出ないのは会社のサービスが悪い
・成果が出ないのは話のわからないお客さんが悪い
・成果が出ないのではなく、会社の評価制度がおかしい

など、他責により、自分のプライド(元々根拠のないプライド)を守ろうとします。この3つが重なることで、居酒屋などで酔っ払って仕事や上司の愚痴ばかりいう"イケてない"社会人が出来上がるのです。

では、この3つの罠にハマらないためにはどうしたらいいのでしょうか。答えは簡単で、全て逆のことをすればいいのです。もしこの記事を読んでいる方が大学生なのであれば、

・大学時代から"成果"にこだわり、"成果"においてのみプライドを持ってください。

この記事を読んでいる方が、社会人であれば、

・自分は何者でもない、という謙虚な姿勢を持ち、FBを素直に聞いてください。
・全ての結果は自分のせいである、という自責の念を持ってください。

イケてる大学生がそのままイケてる社会人になって更に輝き、社会に高い価値を出していってくれることを期待しています。

坂元 俊介
株式会社STORY 取締役/キャリアコンサルタント・ヘッドハンター

同志社大学経済学部卒。新卒でリクルートHRMK(現リクルートジョブズ)入社。中途・新卒領域における求人広告媒体の営業に従事、その後、営業として3つの新メディアの立ち上げを行う。リーダーや大手担当を経験。Webベンチャーでのオフィス長経験を経て、30歳になるタイミングで家業の和菓子屋を継ぐとともに、企業の採用コンサルティング会社を立ち上げ、採用人事支援なども行う。リクルートの同期が立ち上げた株式会社STORYの法人化に伴い、取締役に就任。大学生・第二新卒層のキャリア支援をおこなうSTORY CAREER事業部の責任者を兼任。毎年数百名の大学生・社会人のキャリア支援を行っている。