F1オーストリアGP予選で2番手を獲得したメルセデスのルイス・ハミルトンに、他車を妨害したとして3グリッド降格のペナルティが科された。これにより、予選3番手のレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンがフロントロウの2番グリッドに繰り上がることが決まった。
Q1でハミルトンはアルファロメオのキミ・ライコネンのすぐ前を走行、ターン3でコースオフしてライコネンの進路から外れたが、ライコネンは邪魔されたとして怒りの仕草を見せた。
この一件は審議対象になり、スチュワードはふたりおよびそれぞれのチームの代表者の話を聞き、証拠を調べた後、ハミルトンはターン3で不必要な妨害を行ったと判断した。ハミルトンには3グリッド降格およびペナルティポイント1が科された。
「44号車(ハミルトン)は、ピットから出てきたばかりで、後ろから7号車(ライコネン)を含む複数のマシンが近づいてきていることを(チームから)知らされていた」とスチュワードの声明には記されている。
「44号車は、ファストラップ中の7号車が近づいてくることに気付き、回避するための行動を取ろうとしたものの、7号車を妨げることを避けるのに十分ではなく、7号車はそのラップを断念しなければならなかった」
予選2番手のハミルトンは5番グリッドに下がるべきところ、土曜時点の暫定グリッドでは4番グリッドが与えられている。これは、予選5番手のハースのケビン・マグヌッセンがギヤボックス交換でペナルティを受けるためだ。
■ホンダがアルボンのパワーユニットを「戦略的理由」で土曜に再度交換
今回降格ペナルティを受けるドライバーが多く、グリッドは予選結果とは大きく異なるものになる。
予選で5番手を獲得したマグヌッセンは、ギヤボックス交換で5位降格。ルノーのニコ・ヒュルケンベルグは、シーズン5基目のICE(エンジン)を投入したことで5位グリッドダウンされた。
なお、金曜にパワーユニットの新エレメントを投入し、最後方グリッドからのスタートが決まっていたトロロッソ・ホンダのアレクサンダー・アルボンに関し、チームは土曜に新たにICE(5基目)、ターボチャージャー(4基目)、MGU-H(4基目)、MGU-K(4基目)を入れた。これはすべて制限基数を超えての交換となるため、ペナルティ対象だが、後方グリッドからのスタートというペナルティに変わりはなく、アルボンには土曜時点で19番グリッドが与えられている。土曜の交換についてホンダは、「戦略的理由」と説明している。
マクラーレンのカルロス・サインツJr.は金曜時点でICE(4基目)、ターボチャージャー(4基目)、MGU-H(4基目)、MGU-K(3基目)、エナジーストア(3基目)、コントロールエレクトロニクス(3基目)を入れ、20番グリッドに降格される。
また、ウイリアムズのジョージ・ラッセルは、予選Q1でトロロッソ・ホンダのダニール・クビアトを妨害したと判断され、3グリッド降格およびペナルティポイント1を科された。「63号車(ラッセル)には、ファストラップの26号車(クビアト)が近づいてくることについて、チームから知らされるべきところ、その連絡が適切なタイミングで行われなかった」とスチュワードは説明した。ラッセルは予選19番手だったが、他車の降格により、ペナルティを受けても18番グリッドが与えられる。
これらの降格ペナルティの結果、ポールシッターであるフェラーリのシャルル・ルクレールに並ぶ2番グリッドにフェルスタッペンが繰り上がり、2列目にはメルセデス2台が並ぶことになった。予選9番手だったレッドブル・ホンダのピエール・ガスリーは8番グリッドへ、予選18番手のクビアトは16番グリッドに、それぞれポジションを上げて、レーススタートに臨む。
グリッドは決勝直前までにさらに変更になる可能性がある。