6月29日現地時間午後3時、オーストリアGPの予選が行なわれフェラーリのシャルル・ルクレールがポールポジションを獲得した。レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは3番手。ピエール・ガスリーは9番手となっている。土曜日は朝から快晴の空の下、予選セッションの気温は29度、路面温度は52度まで上がった。
すでにニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)、カルロス・サインツJr.(マクラーレン)、アレクサンダー・アルボン(トロロッソ・ホンダ)が規定数を超えるパワーユニット(PU/エンジン)を投入しておりグリッド降格ペナルティが決定している。また、フリー走行3回目でオイル漏れのトラブルを抱えギヤボックスを交換したケビン・マグヌッセン(ハース)も5グリッド降格ペナルティが決まっている。
Q1は各車がソフトタイヤでアタックするが、フェラーリ勢とレーシングポイント勢はミディアムタイヤで走行を開始した。1周が短いレッドブリンクでトラフィックを嫌って各車が連続走行でアタックを続ける中で、ランス・ストロール(レーシングポイント)は1アタックでピットに戻る。
1回目のアタックでトップに立ったのはルクレールで1分4秒304。これに0.108秒差でガスリー、0.422秒差でルイス・ハミルトン(メルセデス)、0.427秒差でフェルスタッペンが続くが、ルクレールは1分4秒138までタイムを削り、セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)も0.202秒差の2番手に浮上し、フェルスタッペンが0.001秒差でこれを上回った。ガスリーは2回目のアタックでパワーを失ったというものの0.274秒差の4番手に付けてメルセデス勢を上回る。
ここで充分なタイムが出せなかったメルセデス勢は急いでピットに戻り2回目のアタックへ。残り3分を切ったところで各車がソフトを履いて最後のアタックに入っていく。フェルスタッペンも2セット目のソフトを投入して1分3秒807を記録してトップに立った。これに対しハミルトンは0.011秒差で2番手、ボッタスは0.277秒差で3番手に付けQ1通過を決めた。
後方ではダニール・クビアト(トロロッソ・ホンダ)がターン8を抜けたところでトラフィックに引っかかりコースオフ。18番手でQ1敗退が決まった。レーシングポイントのセルジオ・ペレス、ストロールが16番手・17番手、ウイリアムズのジョージ・ラッセル、ロバート・クビサが19番手・20番手でQ1敗退となった。
Q2では上位勢3台が決勝のスタートタイヤを想定してミディアムでアタックを開始。しかしフェラーリはソフトを選択してきた。
ここでまずトップに立ったのはルクレールで1分3秒459。ベッテルも0.208秒差で続くが、3番手にはミディアムを履くフェルスタッペンが0.376秒差まで迫っている。ロマン・グロージャン(ハース)は縁石に乗り上げた際にフロントウイングにダメージを負い、交換のためピットインを余儀なくされた。
残り4分で各車が最後のアタックに向かうが、ペナルティが決まっているアルボン、サインツはこれ以上の走行は行なわず。
終了直前にマグヌッセンがターン4でブレーキをロックさせてワイドになり、後続のランド・ノリス(マクラーレン)、ルノー勢らがその影響を被った。逆にここでアタックを決めたアルファロメオ勢が7番手・8番手でQ3進出、そして皮肉なことにノリスは9番手、マグヌッセンは10番手でQ2通過を果たした。
ルクレールは1分3秒378までタイムを伸ばすが、ベッテルはコースインせず。ピットガレージではFIAの技術委員とフェラーリのスタッフが話し合い、FIAの許可を得た上でベッテル車のエンジンルーム左側を整備することとなった。
Q3では先にアルファロメオ勢だけが中古のソフトでアタックを行ない、その後メルセデス勢、レッドブル勢ら上位勢がコースイン。
ここでもルクレールが1分3秒208でトップに立ち、ボッタスが0.351秒差の2番手、フェルスタッペンが0.653秒差の3番手につけ、最終コーナーで縁石まではみ出したハミルトンは4番手に留まった。ベッテルは結局作業が間に合わないと判断されQ3ではアタックのチャンスが与えられないまま10番手で予選を終えることとなった。
最後のアタックでは当然どのマシンもソフトでアタック。終了時間ギリギリでのタイム計測開始となったが中国GPの時のような混乱はなく、ルクレールが1分3秒003までタイムを縮めてポールポジションを獲得。
ハミルトンは0.259秒届かず2番手、フェルスタッペンは0.436秒差で3番手、ボッタスは0.537秒差の4番手、マグヌッセンは1.069秒差で中団トップの5番手に付け、ノリスがマグヌッセンの0.027秒差の6番手。
アルファロメオ勢は0.1秒及ばずキミ・ライコネンが7番手、アントニオ・ジョビナッツィ8番手、隊列の最後方でアタックに入ったガスリーはタイムを縮めることができず9番手に終わり、ベッテルはノータイムで10番手という予選結果となった。
なおハミルトンは、Q1でライコネンに対して進路妨害をした可能性があるとして審議対象となっており、3グリッド降格ペナルティを科される可能性がある。