マーベリック・ビニャーレス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP) MotoGP第8戦オランダGPのフリー走行1回目、2回目がオランダのTT・サーキット・アッセンで行われ、マーベリック・ビニャーレス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)が初日総合トップタイムを記録。また、フリー走行1回目序盤でホルヘ・ロレンソ(レプソル・ホンダ・チーム)が転倒により負傷。オランダGPを欠場することが発表された。
フリー走行1回目は気温17度、路面温度23度のドライコンディションのもと、行われた。セッション序盤からトップに立ったのはマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)。多くのライダーがフロントタイヤにソフト、リヤにハードを装着するなか、マルケスはただひとりフロント、リヤともにソフトタイヤを履いて走行を行う。
セッション開始5分、中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)が8コーナーで転倒。中上は自身で立ち上がって避難しており大きな怪我はなかったとみられる。
続いてセッション開始15分を過ぎるころ、ダニロ・ペトルッチ(ドゥカティ・チーム)が14コーナーでハイサイド転倒。高速でグラベルに転がったマシンは大破したものの、ペトルッチ自身は起き上がってピットに戻っている。
セッション開始から25分を過ぎ、トップにはビニャーレスがつけ、2番手にアレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)、3番手にマルケス、4番手にジャック・ミラー(プラマック・レーシング)、5番手にカル・クラッチロー(LCRホンダ・カストロール)が続く。
セッション残り時間10分、序盤に転倒を喫した中上がトップから0.197秒差のタイムをマーク。3番手に浮上する。
さらにセッション残り時間5分となるころ、ホルヘ・ロレンソ(レプソル・ホンダ・チーム)が7コーナーでスリップダウン。ロレンソは高速でグラベルを滑りながら、何度も激しくグラベルを転がった。
一度は立ち上がって歩くロレンソの様子が確認されたが、その後、タイヤバリアにもたれるように座り込み、メディカルセンターに運ばれた。ロレンソは転倒前、新しいフェアリングとカーボンで覆われたフレームのマシンで走行を行っていた。
セッションは、終盤のアタックで1分33秒909のトップタイムをマークしたクアルタラロが制し、2番手はビニャーレス。このセッションで1分33秒台のタイムをマークしたのはこのふたりのみである。
3番手はペトルッチ、4番手にはリンスが続き、中上はホンダ勢としては最上位の5番手。マルケスは6番手だった。
このセッションでは中上、ペトルッチ、ロレンソがクラッシュしたほか、アレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ)が5コーナーで転倒を喫した。
フリー走行2回目は気温23度、路面温度43度と、フリー走行1回目に比べて特に路面温度が大幅に上昇した。
セッション開始間もなく、トップに立ったのはマルケスだったが、そのタイムをアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ・チーム)、アンドレア・イアンノーネ(アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ)などが更新する。
セッション残り時間10分を切るころ、ビニャーレスが3番手タイムをマーク。この時点で、マルケスは4番手、クアルタラロは6番手につけていた。
最後のアタックが始まると、ビニャーレスが1分32秒638をたたき出してトップに浮上。クアルタラロが0.180秒差のタイムで迫るも、ビニャーレスのタイムに届かない。ビニャーレスはそのままこのセッションを制し、初日を総合トップで終えた。
2番手にはフリー走行1回目トップのクアルタラロ。フリー走行1回目のワン・ツーがその順位を入れ替える形となり、ヤマハがワン・ツーを占めた。3番手にラストアタックでタイムを縮めたペトルッチがつけ、4番手にはドヴィツィオーゾ、5番手にリンスが続いた。
6番手はアプリリア・レーシング・チーム・グレシーニのアンドレア・イアンノーネ。マルケスは7番手で、ホンダ最上位もマルケスだった。中上は16番手で初日を終えている。
フリー走行1回目で転倒したロレンソは検査のため、アッセン市内の病院に搬送。ロレンソが胸と脊髄の痛みを訴えたため、脊髄のMRIと胸部から腹部にかけてCTスキャンによる検査が実施され、第6胸椎の骨折が確認された。ロレンソはこの負傷により、オランダGPを欠場することが発表されている。
また、Moto2クラスのフリー走行1回目では、ディマス・エッキー・プラタマ(IDEMITSU Honda Team Asia)がセッション序盤に激しいクラッシュを喫してメディアセンターに運ばた。同セッションはこの転倒により赤旗が提示され、約20分にわたり中断。オランダGPの初日は深刻な転倒が相次ぐ形となった。