2019年F1第9戦オーストリアGP金曜フリー走行1回目は、メルセデスのルイス・ハミルトンがトップタイムをマークした。レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは5番手、ピエール・ガスリーは6番手タイムをマークしている。
1週間前の南仏ポール・リカールに続き、オーストリア山中のレッドブル・リンクも異常な暑さに見舞われている。初日フリー走行の始まる午前11時の時点で、気温26℃、路面温度44℃。雲ひとつない快晴だ。ちなみに1年前のオーストリアGP初日は、曇り空だったこともあるが気温19℃、路面温度25℃だった。
メルセデスはセッション開始約1時間前にバルテリ・ボッタスのマシンにオイル漏れを見つけ、パワーユニット(PU/エンジン)交換に取りかかった。ルイス・ハミルトンも、コースインを急ぐ様子はない。一方フェラーリ、レッドブルの4台は、いずれもミディアムタイヤを履いて走行開始。ガスリーが1分6秒385で暫定トップに立った。ここは全21戦中もっともラップタイムの短いサーキットで、昨年ボッタスの出した1分3秒130がコースレコードだ。
ボッタスは開始後30分もしないうちに交換作業が完了し、旧型のパワーユニットでコースに出て行った。一方、今回からホンダの最新スペック3を搭載したアレクサンダー・アルボン(トロロッソ・ホンダ)には、ミスファイアの症状が出ている。
40分が経った時点で、フェルスタッペンが1分5秒488でトップ。0.4秒遅れてボッタス、さらに0.1秒落ちでハミルトン。ふたりはいずれも、ソフトタイヤでのタイムだ。ハミルトンとほぼ同タイムでガスリー、僅差の5番手にランド・ノリス(マクラーレン)が続き、フランスGPの好調を維持しているように見える。
セッション後半に入ると、ボッタスが1分5秒299のトップタイムを出した。直後にシャルル・ルクレール(フェラーリ)が、0.158秒しのいで首位を奪う。しかしボッタスは最初に1分4秒台に突入し、再びトップに立った。その後ハミルトンが1分4秒838の最速タイムを出し、メルセデスが早くも1-2を構築する。だがベッテルが0.144秒差で2番手に付け、2台のメルセデスに割って入った。
トップから0.3秒以上遅れて、4番手にルクレール。フェルスタッペン、ガスリーは終盤ソフトに履き替えたものの、5、6番手。中団勢最速の7番手カルロス・サインツは、ガスリーから0.124秒差に付けている。ダニエル・リカルド(ルノー)、ケビン・マグヌッセン(ハース)、ノリス、ロマン・グロージャン(ハース)が続き、中団グループはマクラーレン、ルノー、ハースがしのぎを削る展開だ。
トロロッソ・ホンダはダニール・クビアトが12番手、4基目のパワーユニット投入でグリッド降格が決まっているアルボンも僅差で13番手に付けた。
チェッカー4分前、最終コーナーでアウト側に膨らんだニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)がフロントウィングの左半分を失い、コース周辺に破片が飛び散ったためにセッションは赤旗中断。最後にスタート練習のためだけに、セッションが再開された。