ルノーのダニエル・リカルドは、先週末の第8戦フランスGPでペナルティを受けたことについて、ふたつのペナルティは厳しすぎるものであり、ひとつのインシデントとして扱うべきだったと反論している。
決勝レースの終盤、リカルドはマシンの油圧系トラブルに苦しんでいたマクラーレンのランド・ノリスを追い抜いて順位を上げた。その後彼は、アルファロメオのキミ・ライコネンにもオーバーテイクを仕掛けた。
しかしその過程でリカルドはコースオフし、スチュワードは彼にふたつのペナルティを科した。ひとつはノリスを抜く際に安全にコースに復帰しなかったこと、もうひとつはライコネンを抜く際にコースを外れてアドバンテージを得たことに対するものだった。
ペナルティの内訳は、それぞれ5秒のタイムペナルティだった。これによりレース結果に10秒のタイムを加算されたリカルドは、8位の座を失い、最終順位では入賞圏外の11位に落ちてしまった。
リカルドはオーストリアGP前の木曜日に、「ふたつのペナルティは間違いなく厳しいと感じている」と主張し、両方のインシデントはひと続きの動きのなかで起きたものであり、スチュワードはそのように捉えるべきだと説明した。
「ポイント圏外に落とされるのは厳しすぎると思った。ひとつのペナルティでも10位に落ちていたところだった。努力に免じて1ポイントを与えてほしいよ!」
リカルドのペナルティによって、チームメイトのニコ・ヒュルケンベルグは8位に、ノリスは9位に繰り上がった。またピエール・ガスリー(レッドブル・ホンダ)も10位に入賞し、レッドブルに1ポイントをもたらすことができた。
「ガスリーを悪く言うつもりはないけれど、彼は僕たちの戦いには少しも絡んでいなかったし、ポイントを盗んだようなものだ」とリカルドは不満を漏らした。
第7戦カナダGPでセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)がペナルティを受けて、ルイス・ハミルトン(メルセデス)に勝利を奪われたことで騒ぎになったこともあり、リカルドはポール・リカールでスチュワードがなんらかの措置を取ることは避けられなかったのだろうと認めた。
「なぜ彼らがペナルティを科す必要があったのかは分かっている」
「そうしなければ、僕はコースを離れたのだから、ルールは何のためにあるのかみんなが不満を訴えることになるからだろう」
「レースのことを考えてそう感じようが感じまいが、本当に正直に言えば、ひとつのペナルティを避けられる可能性は低かった」
「自分がコースオフしたことは分かっているから、繰り返しになるけれど、ある点に関しては異議を唱えることができなかった」
「でも僕だったら、ふたつの別のインシデントではなく、ひとつのインシデントとして扱うだろう」
リカルドは特に、ノリスをオーバーテイクした際にトラックリミットを超えたことでアドバンテージを得たという判断は間違えていると感じている。
「ランドに関する件については、どうしても承知できない。それどころか、あそこではみんなが速度を落としたのだから、僕はランドを追い抜いた時にアドバンテージを得ていない」
「キミの件については、確かに僕は追い抜くためにコースを外れた」
「でもランドの時にはそういう状況ではなかったと思う。もし僕がキミのポジションにいるか、コース外から抜かれたら、『一体どうなっているんだ?』と言うだろう」
「なぜあれがふたつの別のインシデントとして扱われたのか分からない。それだけのことだ。ルールはなければならないけれど、でもね……」
■インシデント発生の要因は、コースレイアウトにも
リカルドは、問題の一部はポール・リカール・サーキットのような現代的なコースのデザインにあると述べた。コースオフについて普通のペナルティが与えられず、スチュワードが介入してくるというのだ。
「グラベルか何かを敷けばいい。そうすれば自然と僕たちを止めることになる。グラベルがあればマシンは止まる」
「そうなれば、僕たちにとっては罰となる。レース後にペナルティを与えらえるのとは違ってね。それが、僕が広いトラックがあまり好きではない理由なんだ」
しかしながらすぐに、リカルドは「そこにグラベルがあったとしても、僕は追い抜こうとしたと思うけどね」認めた。
またライコネンも、コースがインシデントを生じさせる部分的な要因になっているというリカルドの意見に同意した。
「もし彼が右側に行こうとすれば、彼にはスペースがあった」とライコネンは語った。
「もしそこにウォールがあったら彼は僕たちを抜こうとはしなかっただろう。それだけ単純なことだ」
「僕たちはみんなルールを分かっている」
「ルールについて常に考えているし、守ろうとしている。でも選択をすることはあるし、追い抜きのある時点で、彼はおそらく『どうなるか見てみよう』と思ったのは確かだよ。それがこの結果になったんだ」