2019/2020年“シーズン6”からABBフォーミュラE選手権に参戦するメルセデス・ベンツEQフォーミュラEチームは6月24~25日、イタリア北部のバラーノでシェイクダウン後初めてとなるテストを実施した。
2019年11月に開幕するフォーミュラEの第6シーズンから、シリーズに新規参戦するメルセデス。F1で圧倒的な強さを見せつけるドイツメーカーは、すでに新型フル電動マシン『メルセデス・ベンツEQシルバーアロー』を発表しており、今年3月末にはイタリア・バラーノのリカルド・パレッティ・サーキットでシェイクダウンを実施している。
今回行われた2度目のテストはそのシェイクダウン後、初めての走行機会となった。テストは2名体制で行われ、HWAレースラボからシリーズに参戦中のストフェル・バンドーンが前回に引き続きドライブを担当。もうひとりのテストドライバーにはエドアルド・モルタラに代わって、バンドーンのチームメイトであるゲイリー・パフェットが起用された。
またチームは今回、メルセデス・ベンツEQシルバーアローに、3月のジュネーブショーで世界初披露した際のカラーリングを施している。
HWAレースラボのレギュラードライバーである両名は、2日間のテストで合計218周を走破。そのなかで2019/20年シーズンにデビューする、メルセデスの新型電動パワーユニットの開発における貴重なデータを集めるとともに、チームに有用なフィードバックをもたらしたという。
「シェイクダウン以来のドライブになったが、パワートレインの進化を確認するには良いテストだった」と語るのは、フォーミュラEでデビューシーズンを過ごしているバンドーン。
「これは僕たちのチームにとって、長い旅の一部だ。僕らの前にはまだ多くの仕事が残っていて、スタッフみんながそれを理解している」
「でも、開発車の第一印象はとてもいいと思うよ。基本的なことは正しく、すべてがうまくいっている。それがこの時点で重要なことなんだ。僕たちは前向きなスタートを切った」
同様に、2018年のDTMドイツ・ツーリングカー選手権王者であるパフェットもテストは素晴らしいものだったとふり返る。
「再びメルセデス・ベンツのパワートレインを搭載したクルマをドライブできたことをうれしく思うよ」
「メルセデス・ベンツEQシルバーアローは、これまで僕が乗ってきたメルセデスとは明らかに異なるクルマだった。しかし、テストは素晴らしいものだったよ」
「チーム内のプロ意識とエンジニアリングのスキルは非常に優れている言っていいだろう。やるべきことがたくさんあるのは疑いの余地がないが、テストは本当にポジティブだったんだ」
サウジアラビアで開幕するフォーミュラE“シーズン6”の序盤戦から競争力を発揮させるべく、メルセデスベンツEQフォーミュラEチームは今後、数カ月の間にさらなる開発と努力を重ねていくとしている。